米国弁護士の城所岩生氏が、テレビ番組の録画代行を行っていた「まねきTV」と「ロクラクII」、携帯電話への音楽転送サービスを行っていた「MYUTA」の判例から、日本の法令がクラウド・サービスを不可能にしている可能性があると指摘している(「まねきTV事件」最高裁判決でクラウドも国内勢全滅の検索エンジンの二の舞か?)。判決文を読む限りは、飛躍しすぎではないであろうか。
2012年2月27日月曜日
2012年2月25日土曜日
ワタミの労働環境がどう変化したかを財務データから推測する
過労自殺によるコメントに対して強い批判を受けた渡邉美樹氏だが、さすがに批判を受け止める旨の発言をしたようだ。ワタミ(株)のプレス・リリースも「真摯に対応」と、「決定は遺憾」を取り下げた。
渡邉美樹氏が「一層の法令遵守」を宣言した事は歓迎すべきことだが、過労自殺事件後、ワタミでは現場の状況改善を何も行わなかったのではないか、疑念が湧いて来る。
モラルハザードが防止できない日本
「『ブラック企業と旧日本軍』(ワタミ化と東南アジア化)」と言うブログのエントリーで、日本の飲食産業で従業員のモラルハザードが発生していない事を、村社会構造の組織であるゆえだと「村社会構造の組織」と批評している。興味深いが、問題の側面を良く表していない。過去の労働運動などが考察されていないと言う指摘があったが、労働組合が雇用主の“モラルハザード”を防止してきたと言う観点が無いからだ。
日銀の量的緩和は円安を誘導できるか?
2月14日の日本銀行金融政策決定会合で、「中長期的な物価安定の目途」と量的緩和の拡大(10兆円程度の資産買入等の基金の増額)が発表された。
従来政策との大きな違いは無いとの指摘もあるが、概ね金融政策が転換されたと理解されているようだ。それで円安が発生したと言う“俗論”があるのだが、真偽はともかく信憑性が低い話になっている。
2012年2月22日水曜日
ワタミ・渡邉美樹に法令順守の精神はあるのか?
近年は自殺が過労死と認定されるケースも増えており、昨日も大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた26歳の女性社員の自殺が、過労死だと認定された(北海道新聞)。それに関した創業者の渡邉美樹のコメントに、不満の声があがっている(「究極の偽善者 ワタミの渡邊美樹社長 女性新入社員過労自殺の労災認定にも全く反省せず暴言ツイート」「和民社員、入社2か月後に自殺 労災認定→社長のTwitter発言、非難を浴びる」)。
2012年2月21日火曜日
特殊出生率の引き上げ方
周知の事だが日本経済にはデフレや円高よりも大きな問題がある。労働人口の減少だ。古典的な経済モデル(ソロー・モデル)で考えれば、労働人口が減少すると一時的には労働生産性が伸びるが、老人は貯蓄を消費に転嫁するため資本蓄積も低下し、さらに全体として経済成長率は低下してしまう。
一人あたりの生産量が増えていけば良いように思うが、年金や政府債務を考えるとそうも言っていられない。問題解決の方法は大きく二つある。(1)労働者が死ぬまで働く。(2)人口を増やしてしまう。(2)が可能かを考察してみよう。
2012年2月19日日曜日
2012年2月16日木曜日
一般意志2.0は世論調査にも劣る
東浩紀氏の提唱している『一般意志2.0』は、ルソーの一般意思とは異なり意思決定メカニズムでは無く、「情報技術によってサポートされた、世論調査を遥かに超えた、細かい精度をもった民意の可視化システム」だそうだ(BLOGOS)。定義不可能な“民意”は論理的に可視化できない(もしくは“民意”から“正解”は導き出せない)わけだが、それを置いたとしても、世論調査をSNSデータのテキスト・マイニングが超える事は無い。
2012年2月14日火曜日
「死亡率0.1%なら1000人にひとり死ぬ」は間違い?
毒性が良く分からない低レベルの放射性セシウムに関して、確率論的に『「死亡率0.1%なら1000人にひとり死ぬ」は間違い』と言う話題があがっていた。早川群馬大学教授を批判する内容だが、批判になっているような、細部をつついているような感じだ。またベルヌーイ分布を持ち出す必要性は無いように感じられる。
2012年2月12日日曜日
RからCのコードを呼び出すと
「ちょっと速いRのコードの書き方」へのコメントで、「大して速くもならないコード高速化に時間を費やす、という本末転倒に到れば立派なR使い」と言うのがあったので、Rから外部コードを呼び出して、どの程度の高速化が可能かを確認してみよう。
2012年2月11日土曜日
Rのちょっと速いコードの書き方
Rはループ速度が段違いに遅いと言われる。確かにループとメソッド呼び出しで構成したマイクロベンチマークを実行すると、Javaが6.32秒、C++で6.33秒で終わる処理が、87時間18分16.0秒(推定値)かかったりする。S-PLUSやMatlabなどの他の同種の言語よりは高速か同等と指摘されているが、汎用言語に比べると断然遅い(Benchmark 2)。
2012年2月8日水曜日
誤解しようとされるFRBのインフレターゲティング
経済学者を自称する池田信夫氏が『FOMCは「インフレターゲット」を設定したのか』と言うエントリーで、FRBがインフレターゲティングを導入していないと主張しているが、欧米メディアではInflation targetingを宣言したと明確に報道されており、疑問の余地は少ない。
『統計学を拓いた異才たち』で触れる統計学史
統計学は便利なツールではあるが、容易に理解できない部分もある。理由は幾つもあるだろうが、哲学的な側面がある一方で、それに時間をかけてレクチャーされる事が無いのも一つの理由だと思う。統計学も何かの必要性、もしくは考え方に応じて発展した来たわけだが、コラムの人物紹介を除けばテキストに書かれた説明は無味乾燥としている。『統計学を拓いた異才たち』は、そういう隙間を埋めてくれる本になっている。
2012年2月6日月曜日
2012年2月5日日曜日
地獄のミサワ的Rユーザーの回帰分析
「Rが使えるフリをするための14の知識」に対して、古参R使いから「Rユーザーの「フリ」なんてしなくていいんですよ」とコメントを頂いた。確かに、意識が高いRユーザーのフリをする人間は大変にウザイので、いない方がいいかも知れない。
2012年2月4日土曜日
Rが使えるフリをするための14の知識
米国FDAで公認され、ハーバード大学やイェール大学の授業で利用されるようになり、世間での認知度が着実に上昇している統計用プログラミング環境のRだが、ユーザーなのか、ユーザーになりたいのか、ユーザーとして振舞いたいのか分からない人が増えてきた。
スノッブなユーザーとして振舞う場合は、Rの特性を語れる必要があるので、ユーザーになるよりもRへの知識や理解が必要で、実は難易度が高い行動である。それでもあえて意識の高いRユーザーとして振舞いたい人々のために、最低限求められる事のチェック・リストを用意してみた。
2012年2月2日木曜日
2012年に流行するプログラミング言語
@ITに『「次に来る」プログラミング言語を占ってみる』と言うタイトルで、オングス代表取締役の後藤大地氏が最近のプログラミング言語事情を解説しているのだが、どうもしっくり来ない。そこに“新しい言語”が無いからだ。Java、C、C#、Perl、PHP、Python、Ruby、JavaScript、Objective-Cは既に利用者も利用目的も浸透している。
2012年2月1日水曜日
香山リカは児童の心が壊れても気にしない
橋下徹氏を“曖昧”に批判している香山リカ氏だが、状況を把握しないでテレビ討論会に望んでいたのか、その主張が不評だ(e.g. いま、香山リカ女史の無能さがヤバい)。香山リカ氏の主張が著しく論拠の欠く事から、大多数の感想は彼女に批判的である(livedoor ニュース)。