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2026年9月26日土曜日

男性の家事負担と出生率の相関について

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東大の山口慎太郎氏の2021年12月15日JSPS男女共同参画推進シンポジウムの図が恣意的に観測値を減らしていると非難されていた。OECD加盟国が網羅されていないためだ。

非難と批判が妥当なものか評価するために、散布図を作成してみた。多少は雑である気はするが、少なくとも恣意的に分析国を選んだとは言えない。また、言われているほどデータは落ちていない。

この図及び、関連した議論から(山口氏の主な主張である)ジェンダー平等の推進が出生率向上につながる蓋然性は低いと思うのだが、この図をつついてもあまり建設的ではない。

2026年9月20日日曜日

皆さんがあの散布図で東大教授が因果を主張したと受け取ってしまったのは、財務省が悪い

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かも知れない。

まずは以下の財務省『ファイナンス』2021年7月号No.668の記事を読んでほしい。

山口慎太郎氏が怪しい散布図で因果を主張したと捉える人がいても、責められない。図表に言及した次の文で、明確に政策効果を主張している。あの散布図を根拠にしていると誤認するのはやむを得ない。しかし、この記事、文責は財務省の人々のようだ。

2026年9月16日水曜日

あるにはあるよ、家族関係社会支出と出生率の相関

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東京大学の山口慎太郎氏の『子育て支援の経済学』にある家族関係社会支出と出生率の相関を示すプロットからOECD加盟国のイスラエルと韓国が抜けていて、分析年の2015年にはまだ加盟していないラトビアとリトアニアが入っており、分析対象国を正しいものにして再推定を行ったら、係数の有意性がなくなったと批判されていた(Twitter)。

2026年9月15日火曜日

オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」の賛同者一覧は呪物なので触らないのが無難

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2021年4月から2022年4月上旬までの約1年間公開されたオープンレター「女性差別的な文化を脱するために」は、その内容の異様さ*1の他に、賛同者の登録方法の杜撰さが問題になっていた。

登録フォームではメールアドレスの入力は任意であり、登録したメールアドレスに確認メールが来ることもなかった。覚えのない「賛同者」が3名出た後に、

2026年6月30日火曜日

女性限定公募に関する質的研究の論文Naka et al. (2026)を非難する皆様へ

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女子枠批判界隈からNaka et al. (2026)が、ジェンダー学者が粗雑な研究をして女性限定公募を正当化しようとしていると多くの人々から非難されていた。しかし、この認識は誤りであるし、他の非難の多くも頓珍漢なものだ。

Naka et al. (2026)は、東京大学の物理学者に対する半構造化*1インタビューを仮説形成テーマ分析(abductive thematic analysis)*2にかけた質的研究だ。最後のディスカッションの節を読むと、女性限定公募に懐疑的な見解を示し、その代替となるジェンダー平等推進策を提案している。

2026年6月22日月曜日

最近のアメリカのトランスジェンダー排除目的のトイレ法案の(少なくとも幾つか)は、性分化疾患(DSDs)の人にも影響するよ

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Twitterの性分化疾患(DSDs)当事者の日本人で、性スペクトラム説などのジェンダーイデオロギー(もしくはトランスジェンダー)を嫌う人々が*1、近年成立しているアメリカのトランスジェンダー排除目的のトイレ法案(bathroom bills)はDSDsは例外と言っている気がするのだが、条文を読む限りは巻き添えを受けているので指摘しておきたい。

2025年9月22日月曜日

質的研究は量的研究と狙いが違うので、サンプルサイズやサンプリングバイアスといった観点で批判しても仕方がないよ(注意:他に問題がないとは言っていない)

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ジェンダー学者たちが書いたある論文*1に、インタビューイの数が5名で少数であること自体を馬鹿にするような非難が集まっていた*2。しかしこの論文は、非構造化もしくは半構造化インタビューという質的調査の手法を用いているので、サンプルサイズ自体を非難するのは失当だ。大学の(おそらくジェンダー論の)講義参加者から調査対象を選んでいるのでサンプリングバイアスがあると言う批判もあったが、これも強い批判になりえない。

2025年9月6日土曜日

アメリカ流の逆境指数は不正防止が困難だし、何かの事情で女子集団の成績が劣るときに女子ではなく女子校に加点されるし、女子がさぼっているだけだとしても女子校有利になる

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大学入試の女子枠批判者として知られるNENENENE@研究こと國武(くにたけ)悠人(ゆうと)氏が、今年の3月頃から女子枠ではなくて逆境指数を使えと言っているのだが、少なくともアメリカ流の逆境指数は女子枠より歪な結果をもたらす可能性があるので指摘したい。

2025年8月24日日曜日

「ガラスの天井」の誤用 — 勝敗の基準が明らかなことには使えません

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将棋の女流棋士がタイトル戦のひとつで順位戦と連動している白玲(はくれい)戦で5期タイトルをとったら棋士になれる制度に関して、「ガラスの天井」と言う言い回しの誤用が多く観察された。

ガラスの天井は役員への昇進など、その条件が不明瞭なときに使うもので、将棋のプロ棋士編入試験のように合格条件と、それを満たしているか否かの判定が明確な場合は、使えない。目に見える壁で、透明とは言えないからだ。

2025年8月4日月曜日

NENENENE@研究さんの「女子枠」批判論文の統計解析は、参照している記事で論文が批判しているはずの女子枠推進者の主張の検証になっていないし、分析手法の選択が下手な上に、解釈におかしいところがある

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NENENENE@研究こと國武(くにたけ)悠人(ゆうと)氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)には、統計解析をかけている部分があるのだが、女子枠推進者の主張に対応していないので意味をなしておらず、手法の選択が下手な上に、解釈がおかしいところがあるので指摘したい。

これから研究を学ぶ大学院生が、半年前とは言え学部生のときに書いたペーパーを批評するのは心苦しいが、学術論文として公刊してしまったのだから仕方が無い。気づくと週刊誌に記事を書いているし、社会的影響も出始めている。

2025年8月1日金曜日

スウェーデンで男女別枠選考が廃止された理由 — 女子生徒が不利になったから

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スウェーデンは珍しく、男女別枠で入学者数を定めることが、行政命令に反すると言う意味で、はっきり違法と言える国だ。

オランダも女子枠が行政命令で止められたので恐らく違法なのだが、フランスやドイツは反例となる制度があり、スペイン、イタリア、ベルギー、オーストリアあたりはよく知られている裁判や制度が見当たらなかった。

2025年7月28日月曜日

フランスで女子枠は違憲とは言えない(少なくとも現時点のある私立工科大学では合憲で、聴聞会では「クォータ制の実験」が違憲と言っている)

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アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、フランスでは女子枠が違憲だと主張している。

フランスの平等条項は格差是正のためといって、職員の採用では適用されず、クォータ制がある。選挙の立候補者の男女枠に関しては、憲法自体が改正されている。そんなお国柄で大学入試だけ男女クォータ制が違憲なのか謎だ。

2025年7月24日木曜日

NETFLIXで配信された映画CUTIESは、女の子がエロい格好で踊ることに対して批判的な映画だよ

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どこからか拾ってきた絵を持ち出して、海外のフェミニストはマンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』を非難している一方で、映画CUTIESを賞賛しているが、これは女性の年齢や露出度を考慮しておらず、マンガやアニメだから非難している証拠だと言いたそうなツイートが流れていた。しかし、その絵は、海外の大手メディアにまで紹介された映画CUTIESへの非難を無視している。

2025年7月3日木曜日

ジェンダー法学者の島岡まな氏の話を聞く前に知っておくべきこと

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ジェンダー法学者の島岡まな氏へのインタビュー*1が公開され、そのはちゃめちゃな主張が多くの人の困惑を招いている。今回は具体的な論評を置いておいて、インタビューを読む前に知っておくべきことを列挙しておきたい。

「疑わしきは罰せず(in dubio pro reo)」は元がラテン語だけに日本だけの話ではなく、フランスでも同様。また、それは被害者に厳しくあたるためではなく、検察官の横暴を抑制するための原則。性犯罪は密室での行為になるため、現実としては推測に頼る部分もあり、有罪判決後に冤罪や狂言が発覚した場合もある*2。

2025年6月26日木曜日

NENENENE@研究さんのSowell (2004)の紹介がハルシネーションになってしまっている件

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アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、「欧米先進国で「女子枠」「黒人枠」「地方出身者枠」のような選抜方式になっていないのはアファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層が得をするという事実があるからです(Sowell,2004)」とツイートし、統計学と経済学の博士号を持つ大学教員のマクリン氏に、Sowell (2004)は事実を示したと言える論証を行っていないと批判されている(togetter)。

2025年6月25日水曜日

NENENENE@研究さんが女子枠批判で参照した論文2報が女子枠を正当化している気がする件

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アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究さんが、再生医療を専門とするイリノイ大学の研究者、山田かおり氏の主張を批判する文脈で出した論文の要約が、よく読むと女子枠を女子枠を(牽強付会すれば)正当化しているので指摘したい。

2025年5月29日木曜日

ここ数年でフェミニズムが急速に支持を失ってきたということはないよ

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SNS男女論界隈では、ここ数年でフェミニズムが急速に支持を失ってきたと言うような主張が、フェミニズム批判者から見られることがある。𝕏/Twitterでの議論では勢いが無くなっているようだ。しかし、日本全体で見るとそう大きな変化はない。

世論調査の結果を参照して、男女共同参画推進派フェミニストが数を減らしているという主張もあったりするのだが、これは解釈に難がある。

2025年5月17日土曜日

ジェンダー論の大学院生は、他分野から書き物をあれこれ言われた方がいいよ

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ジェンダー学者の田中東子氏が、ジェンダー論の大学院生が公開している論文を分野外からSNSで論評するなと言い出して非難を浴びている。公開された著作物をSNSで意見論評するなと言うのは、言論の自由に反する姿勢だ。

田中東子氏の主張も半分は分かる。田中東子氏には昨年末に誤解や曲解に基づく大きな非難が集まっていて、それらは建設的なものとは言い難かった。また、平均的な大学院生は半人前なので、論文を完成させて学術雑誌に掲載するための改善を提案する指導的、建設的なコメントが必要で、それは分野外の、とくに学術未経験者には難しい。雑な非難によって、大学院生が潰されてしまう危惧はある。

2025年5月5日月曜日

トランス権利活動家が日本女性学会を因習村にしても

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フェミニストの巣窟である日本女性学会でトランス権利活動家(TRA)なフェミニスト有志が公開で声明と賛同募集を発し、現在の学会執行部と対立する事態になっている*1。分科会での報告と質疑応答に「人権侵害」があったそうだ。

学会の報告と質疑応答はあくまで学術的な議論なわけであるから、トランスジェンダーの人権を侵害するのは困難であるし、主張に問題があれば直接間接に反論していけば済む話なのだが、社会圧で異端を封殺しようとする態度がTRAらしいものとなっている。

2025年4月29日火曜日

フジテレビと中居正広の件は、裁判で有罪になる前でも、悪事があったと看做してよいケースだったよ

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今年の1月に表自界隈のネット論客が「フジテレビも中居さんも松本人志さんも、全員、刑事判決が確定したわけでもないにもかかわらず、性犯罪者(不同意性交等罪)があったみたいな言説がこんだけ流通してるのはやりすぎ」と言うような主張を繰り返しツイートしていたのだが、3月31日の第3者委員会の報告書が出た後はこの話題に触れなくなっていた。今から振り返らずとも、筋の悪い話だ。