2019年9月7日土曜日

日刊ゲンダイの財務省“インチキ統計”記事に関して

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日刊ゲンダイが「財務省また“インチキ統計” 計算方法変更で設備投資「増」」と言う記事で、法人企業統計の設備投資の推移に関して「コッソリと統計手法を変更して、「うまくいっている」ように見せ」ていると財務省、安倍政権を批判している。しかし、この記事を書いた記者、急いでネタを探していて、資料を空目したのでは無いであろうか。

発表当日に「法人企業統計調査における季節調整の対象項目の追加等について」と言うアナウンスがある上に、報道発表用の資料を見ても「(注)設備投資はソフトウェアを含む」と随所にあるし、「含む」に下線が引っ張ってある箇所もあり、官公庁資料としてはかなり念入りに変更を強調している。また、記者曰く「報道発表資料にはなく、虫眼鏡でしか読めないような元データをあたるとようやく見つかった。その数値」は、報道発表資料の7ページにしっかりある。「( )書きは、ソフトウェア投資額を除いたもの」と注に書いてある。ついでに、経済評論家の斎藤満氏の「2001年からデータを蓄積しているのであれば、昨年や一昨年でも統計方法を変更できたはず」と言うのも、他の系列と季節調整に使う期の数を揃えるという視点が抜けていると思う。季節調整に使うアルゴリズムX-ARIMA12のパラメーターに関する説明を読むと、81期使っているので。

ソフトウェアを含む設備投資と、ソフトウェアを含まない設備投資の二つの系列を同時にプロットして見せるなどの工夫があっても良かった気もするが、ここまで注意喚起されて気づかないアナリストはいないので財務省は無罪である。

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