ジェンダー平等とジェンダーフリーは異なる概念だし、ジェンダーフリーの方は利用非推奨でして

新聞でアカウント名が言及されるほどの著名ネット論客の青識亜論氏が、「思想なき思想の時代」と言うエントリーの中で、ジェンダー平等に「ジェンダーフリー」とルビをつけているのだが誤りだ。

ジェンダー平等を英訳すればgender equalityなのは指摘するまでもないが、福嶋 (2008)「｢ジェンダー･フリー｣ということば」によると、1995年頃から使われはじめた和製英語で、「｢男女平等｣に替わって｢ジェンダー･フリー｣が用いられた」とあるが、ジェンダー平等とは別概念。なお、2006年に男女共同参画担当課が、ジェンダーフリーは意味不明なので使うなと都道府県と政令指定都市に通達を行っている。

ところで青識亜論氏は同じ記事内で、DJ SODA氏のプレイボーイ誌のグラビアに関する柏木哲夫氏のツイートが、社会学者の小宮友根氏が説明したフェミニズムの「思想」と一貫していないと批判している。だが、柏木氏はフェミニストではないと明言しているし、小宮氏は、青識氏の説明するフェミニズムの「思想」である「それを目にした人々が…女性自身の意志を無視して性的な快楽のためのモノ扱いするようになる」と言うような、強力効果論は唱えていない。小宮氏は女性表現を見た女性がどう感じるかを重視している。