2013年12月29日日曜日

靖国神社参拝における安倍総理の説明責任

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12月26日の安倍総理の靖国神社参拝に関して、内外に反響が広がっている。中韓の否定的な反応だけではなく、米政府からも否定的なコメントが出ている。賛否は色々と言われているのだが、マスコミの安倍総理への追求は手ぬるい。安倍総理が日中戦争・太平洋戦争を指導した人々、例えば東条英機、松岡洋右、白鳥敏夫をどう評価しているのか厳しく追求すべきだ。

盛んに言われている国際問題になると言うのは、小さな問題だ。日中戦争の一つの当事者であった中国共産党はA級戦犯への敬意を示されるのは当然不快であろうし、東アジアで実益の無い緊張を高めたくない米国もその外交方針と反するので不快であろうし、韓国は理由があるのか分からないが怒るであろう。しかし、中韓の言動が大きく変化するとも思えないし、deeply disappointedと言われたイスラエルが米国と致命的に関係悪化したわけではないので、disappointed程度*1で動揺する必要は無い。

問題は、安倍総理の政治姿勢になる。総理は戦没者慰霊を強調するが、A級戦犯と言われる戦争主導者をどう考えるかが明確ではない。昭和天皇は靖国神社の合祀は問題だと考えていたと言われる。2006年7月に元宮内庁長官・富田朝彦氏の1988年に昭和天皇が靖国神社のA級戦犯の合祀に強い不快感を示していたとするメモの存在が報道された。1975年11月以降に昭和天皇は靖国神社に参拝していない。

記者会見で「戦争主導者の責任についてはどのようにお考えでしょうか?」と質問されたが、安倍総理は以下のように肯定も否定もしていない*2

それは、今までも随時、国会で述べてきた通りであります。我々は、過去の反省の上にたって、戦後、しっかりと人権を守り、そして民主主義、そして自由な日本を作ってまいりました。そして今や、その中において、世界の平和に貢献をしているわけでございます。今後も、その歩みにはいささかも変わりが無いと言う事は重ねて申し上げておきたいと思います。

「過去の反省の上にたって」とあるが、戦争主導者に参拝する意図は無かったとは言っていない*3。安倍総理は満洲の植民地化に努力し、太平洋戦争を決断した東条英機や、国際連盟から脱退した松岡洋右をどう思っているのであろうか?

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