2010年7月15日木曜日

鳥は右目で地磁気を見る

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Mail Onlineによると、ドイツ人の研究者たちが、右目を隠した鳥は的確に旅ができなくなるが、左目を隠した鳥は影響を受けないことを発見した。渡り鳥がどうやって方向を知っているのかは長い間、論争になっており、太陽や星の位置、地磁気で方角を知ることができると言われている。しかし、地磁気に関してはどのように知覚されているかは長い間謎であった。

研究者たちは、さらに地磁気と光の陰影を区別できなかったことから、鳥が普通の視覚で通常見ているものの上に、磁気画像が明暗の影を作ると考えている。鳥が頭を動かすと影が変化し、影のパターンから目に見えるコンパスとして機能するようだ。さらに、鳥は網膜に青い光があたると、不対電子を持った活性化状態になりラジカル対を作り出す生化学物質を持っているのだが、磁場は不対電子が不活性化する時間に影響を与えるとも考えている。視覚と磁気画像は両方とも、光と影の変化であるが、磁気画像が明暗の変化がゆっくりな一方で、視覚は明確な線と縁を持つ傾向があるそうだ。どうやら雁で実験を行ったようで、全ての鳥が同じ機構を備えているかは分からないが、とても興味深い。

ところでファンタジー作品で、通常は目に見えないもの(e.g. 幽霊、霊気、オーラ、etc...)を見ることができるキャラクターが出てくることがあるが、通常の視界と特殊な視界が切り替わって見えるか、完全に通常の視界と一致している事が多いように感じる。つまり不便が無い。しかし、実際は目に見えないものが見えると、実験の雁のように混乱を来たす可能性があるわけで、感覚器官の発達は万能ではないようだ。ファンタジーも科学的発見の影響を受けるので、今後は不便な超感覚を持った主人公が苦労する作品が出てくるのかも知れない。

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