2017年8月18日金曜日

ピンカーは近代哲学ではなくポストモダニストを含む現代のブランク・スレート信奉者を非難している

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ポモ好きの思想史研究者・仲正昌樹氏が、『ピンカーが(「人間の本性を考える」で)哲学における「ブランクスレート」説として念頭に置いているのは、“ポストモダン”ではなく、イギリス経験論に代表される近代哲学全般』と主張していたので検証してみたのだが*2、イギリス経験論自体は肯定もしていないが、批判もほとんどしていない。ピンカーが熱心に批判しているのは、彼らの説を極度に単純化した後の世代の心理学者・社会学者・思想家、特に20世紀以降に新たな科学的知見を政治的に拒絶した人々であって、近代哲学全般を批判していると言うのは勘違いに思える。また、デリダなどポストモダニストへの言及もそれなりの分量、ある。

2017年8月16日水曜日

地下鉄の科学 - トンネル構造から車両のしくみまで

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地下鉄は現代的な大都市には必ずある身近な交通機関なのだが、公共交通機関の中では地味な扱いである。地下だけに写真も撮りづらいから撮り鉄も被写体としづらいようだし、路線網だけに狭いスポットから全体を見渡せるわけでもないので、巨大建造物が大好きな30代以降の自称少年/少女も、わざわざ地下鉄を見に行こうとは行かないようだ。しかし、列車を地下に走らせるには穴を掘らないといけないし、視界が悪く密閉されているので運行上の危険も増す。少し知識を深めると、面白みが出てくるかも知れない。

2017年8月13日日曜日

政党観の前に“リベラル”の意味が世代ごとに異なる

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2017年8月11日の読売新聞の『政党観 世代で「断層」』と言う記事が話題になっていた*1。曰く、若年世代にとっては公明・共産が「保守」で、維新が「リベラル」であるそうだ。これは高知大学の遠藤晶久氏と読売新聞の共同調査なのだが、予備調査として行なわれたアンケート調査*2の結果を見る限り、かなり危ういものとなっている。集計データしか示されていないのではっきりは言えないが、政党観の前に“リベラル”の意味が世代ごとに異なる可能性が高い。

三浦瑠麗っち、政治家の質を見ると戦前回帰はあり得ないよ

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お茶の間で人気の国際政治学者・三浦瑠麗氏が、8月12日の東京新聞のインタビュー記事で、「国家観・歴史観を持ち、理念を掲げられる日本人が育たなくなっている」から、「(戦前)を全て否定するのは一面的で、過去を見誤っています」と主張している。戦史をしていた人なのに、第二次世界大戦の敗北が無かったことになっていて興味深い。戦前の政治家や軍部は、勝てないケンカを売って祖国を焼け野原にしたわけで、碌な国家観・歴史観・理念を持っていなかったとしか言いようが無く、意味不明である。

2017年8月11日金曜日

内閣を支持する/しない理由は大した情報にならない

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世論調査で安倍内閣の支持率が急落し、特に首相への信頼が急落していることが注目されている。調査結果なのでアレコレ言及したくなるのだが、どういう意味を持っているのかは判然としない。そこで、支持/不支持理由の内訳の変化の傾向と、それが内閣支持率にどの程度の影響を与えるのかを過去13年間のデータから計量的に確認してみたのだが、支持/不支持率を変化させる隠れた“要因”はほぼ一つであり、支持/不支持理由の“変化”は内閣支持率に大きな影響を及ぼしていなかった。

2017年8月6日日曜日

計量分析をすると、首相辞任のトリガーは内閣不支持率

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何かと話題の安倍内閣の支持率だが、韓国政治が専門の木村幹氏が『近年の政治状況において重要な「内閣支持率-与党支持率」はまだ16%以上のマージンを持っているので、与党内の反発により政権がゆらぐ状況ではない』と言う話をされていて、その指標が重要なのは本当かと思って検証したらそうでもなかったので報告したい。大半の人には「知っている」と言われそうなのだが、近年のデータを見る限り、首相辞任のトリガーは内閣不支持率だ。

2017年7月26日水曜日

完全失業率の上昇は、内閣支持率を低下させるか?

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産経新聞の『【田村秀男の日曜経済講座】内閣支持率は失業率次第 警戒すべきは緊縮財政勢力』なる記事で、内閣支持率の前年同期からの差分が完全失業率によって決定されるような主張がされていた。低い失業率を維持したら内閣支持率がいつか100%を超える事になってしまうので、明らかに不適切な統計処理を行なっているわけだが、好景気・高雇用ならば内閣支持率が高くなり、選挙で与党が有利であるのはよく耳にする風聞である。この法則に、どの程度の根拠があるのであろうか。計量的に検証してみよう。

2017年7月24日月曜日

ネット世論調査は回答者数が多くても、標本の偏りが激しい

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最近の安倍内閣の支持率急落を受けて、ネット界隈の安倍総理のファンが回答者数が多いネット世論調査ではもっと支持率が高いので、新聞社や通信社などが行なっている世論調査の結果がおかしいと言い出している。ちょっと前までは、アンチ安倍の人々が世論調査の数字を疑っていた。しかし、社会調査法のイロハで教わる事だが、明らかにネット世論調査の方がおかしいので、もっとそれらしい他の陰謀論を考えて欲しい。

2017年7月22日土曜日

為末大は努力信奉者ではあるが、優生思想の信者とは言えない

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自己啓発が好きな人々に信奉者が多い元陸上競技選手の為末大氏のあるツイートが、優生思想だと非難されていた。「一定数以上、価値を生み出す人がいなくなった国家は力を失いますので…それを回避する程度には私たちは頑張るべき」と言うツイートが、価値を産み出さない人が国家に不要と捉えられ、それが優生思想に思えるらしい。しかし、為末氏の主張と優生思想はかなりの相違がある。

2017年7月17日月曜日

多元的貧困の四次元ベン図

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東京財団税・社会保障調査会に『貧困率は低下したけれど… 「多元的貧困」アプローチの試み』と言う小塩隆士一橋大学教授のエッセイが出ていて、多元的貧困をベン図的な図を用いて説明していた。貧困を考えるときは所得だけではなく、教育や健康やセーフティ・ネットについても考慮する必要があると言う話で、その概念自体は貧困問題では常識的な話なのだが、以下のベン図的な図が気になった。