2014年7月31日木曜日

統計モデルに観測値と観測値の割り算値を入れても問題ない

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「データ解析のための統計モデリング入門」6.6章 割算値はなぜダメなのか?』と言うエントリーが出ていて、タイトルにある署名の本の6.6章「割算値の統計モデリングはやめよう」に、タイトルの通りの疑問が呈されていた。

問題の本は生物系研究室の常識が詰まっているようなのだが、一般の統計利用ではやや窮屈な側面もあるようで、以前も離散データだから最小二乗法が使えないと言うような誤解を招いていた。今回の御題は統計モデルに観測データ同士の割り算値を持ち込めるかと言う事だが、大半のケースでは問題ないから気にするのはよそう。

あるマルクス経済学者のプロパガンダ(9)

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マルクス経済学者の松尾匡氏の連載の続き『「自己決定の裏の責任」と「集団のメンバーとしての責任」の悪いとこどり』が公開されていた。責任と言い出した時点で倫理学の世界に入っていて、マル経らしく分野横断的な議論になっている。こういうアプローチは近経だと相当偉くならないと許してもらえない(と思っている)が、悪いと言うわけではないであろう。しかし、まだまだ思考中なのかも知れないが、風聞でしか倫理学を知らない私から見ても、全般的に論が軽い気がしてならない。松尾氏の倫理感を自明のように押し付けている。

2014年7月30日水曜日

ヘイトスピーチの非合法化には反対

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地下鉄でヘイトスピーチを行った女性の動画がSNSで広まり、警察が彼女を逮捕した件に関連したエッセイが掲載されていた(Guardian)。ヘイトスピーチには反対だし、件の女性を擁護する気は無いそうだが、それでも逮捕は行き過ぎだし、ヘイトスピーチの非合法化には反対だそうだ。その理由として、大雑把な紹介だが、以下の四つ挙げられていた。

2014年7月29日火曜日

なぜ人を殺してはいけないのかを説明しても

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「なぜ人を殺してはいけないのか?」の疑問には誰も答えられない』と言うエントリーが人気になっていた。膨大なコメントがついており、倫理学者では無い人々がどう考えているのかが分かって興味深い。しかし、続くエントリーで倫理教育で殺人防止と言う議論に展開していくのに疑問を感じた。社会が殺人を許さない理由を考えても、殺人が許されない内在的な理由を考えても、それを熱心に子供に教え込んで犯罪防止につなげるのには無理があるからだ。

2014年7月28日月曜日

普通の人は見落としてしまう小保方博論騒動の論点

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世間では沈静化しつつあると思うSTAP幹細胞疑惑の理研・小保方晴子氏だが、学術の世界では博士号の扱いが話題になっている。小保方氏の博士論文にも不正があると言う疑惑だ。事態を重く見た早稲田大学は調査委員会を組織し、調査を行った。

先日、調査委員会が結論を出したのだが、その主張は困惑を招くものであった。不正行為があると認定する一方で、学位取り消しにあたらないとしたからだ*1。これに対して早稲田大学の教員有志が異議を唱えている*2のだが、そのポイントはよく理解されていない*3ようだ。

2014年7月23日水曜日

あずまん、ソーカル事件の余波にもっと苦しもうよ

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現代思想の専門家で、批評家・作家の東浩紀氏がソーカル事件で現代人文思想が風評被害に晒されていると嘆いているらしい*1。風評被害と言う所がひっかかった。物理学の比喩をハッタリで使っていたデリダの研究者である東氏からすると、重度に意味不明な文章を書いていたラカンと一緒にされるのが嫌なようだ*2が、同罪に思える。東氏の姿勢にソーカルが批判していた部分が見え隠れするからだ。

2014年7月22日火曜日

単なる統計使いを少しだけ誠実にしてくれる「科学と証拠─統計の哲学入門」

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戦後、W・エドワーズ・デミングが生産現場に品質管理の概念を持ち込み、最近はデータサイエンティストが名乗る人が大量に蓄積されたデータを分析する事が流行っているので、日本にも学術分野に限らず統計ユーザーは少なく無い。最尤法、階層ベイズ、仮説検定と言った手法が駆使されている。しかし、それらの手法は必ずしも一貫した哲学によって裏打ちされているものではない事を知らない人は多いかも知れない。

2014年7月21日月曜日

したたかさの分からない「したたかな韓国」

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嫌韓本に批判的な韓国政治が専門の浅羽祐樹氏の「したたかな韓国―朴槿恵(パク・クネ)時代の戦略を探る」を拝読してみた。韓国を単に理不尽と思うだけではなくて、その政治事情を理解しましょうと言う本だと思うのだが、一貫した分析のフレームワークが提供されていないので、どう捉えてよいのか分からない情報の羅列になっている。朴槿恵時代の戦略とあるのだが、何の戦略かさえ分からない。

2014年7月17日木曜日

ユダヤ人国会議員「パレスチナ人の母親は皆殺しにすべき」

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パレスチナ人はテロリストだと主張している著名なイスラエルの極右政党ユダヤ人の家の国会議員Ayelet Shaked氏が、現在進行中の軍事作戦でパレスチナ人の母親は皆殺しにすべきと言っているそうだ(PressTV)。ヘブライ語を英訳したものだと思うが、以下のように発言したと報道されている。

空気が薄いと痩せる

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PLOS Oneに掲載された論文によると、空気の薄いところで生活すると、肥満リスクが半減するそうだ(Mail Online)。2006年12月から6年間の標高の異なる米軍基地の10万人近くの陸空軍の兵員の追跡調査で、標高2Km以上と標高1Km以下の基地に所属する兵隊を比較したところ、肥満になる確率に41%の差があった。