2012年11月2日金曜日

ケインズ政策と幸福度

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金を回せば経済はよくなるというサギ」と言うブログのエントリーで、政府投資によるGDPの増加が、無駄を増やしたり、余暇と労働のバランスを崩すと批判している。論点が拡散していて、中立命題が成立するケースや、労働供給が逼迫するケースも言及されているが、整理すると、(1)政府投資でGDPが増える状況で、(2)GDP増加が幸福度を引き上げないと言う主張のようだ。

しかし、IS-LMモデルでは明示されていないのだが、GDPギャップがあるときは大抵は失業率も高い。政策的には、どちらかと言うと失業者を減らしたいわけだ。そして米国の研究*1でも、日本の研究*2でも、失業は幸福度を下げると言われている。ブログを書いた人も、失業が金銭面だけでは無く幸福度を下げる話を紹介している*3。GDPと幸福度は全く違う方向を向いた指標とはなりえない。GDPギャップがあるときのケインズ政策は、幸福度を引き上げると見なすべきであろう。

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