2010年9月5日日曜日

伝説も自動化!故障時の無人航空機の制御がより高度に

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

演習中に事故にあった戦闘機F-15(右の写真)が、片翼の状態で自力で帰還した実話がある。軍用機では、被弾などで機体が損傷することも多々あるのだが、さすがに、この事故は伝説として語り継がれている。しかし、無人航空機に搭載された新型技術で、伝説が当たり前になる時代が来るのかも知れない。

POPSCIによると、現在の無人航空機は、機体が破損や故障したときに、有人機と同等の対応を行う事ができない。これは戦地ならまだしも、混みあった民間航空網では問題になる。例えば、ほとんどの無人航空機は衝突防止灯や航海灯を見ていないので、市街地にも墜落する可能性がある。つまり、米連邦航空局のルールを守るという面で課題が残っている。

しかし、米国防高等研究計画局が出資している、Rockwell Collins社の新しい技術はこの問題を解決するかも知れない。まずは以下のビデオの15秒以降を見て欲しい。

自動飛行しているF/A-18戦闘機の模型飛行機だが、右翼が80%切り離された後も機体を制御して飛び続け、何とか地面に着地している。ダメージ耐性制御と呼ばれるこの技術では、手の平サイズのセンサーとコンピューターの入った箱で、航空機の現在の状況を把握し、フライト・コントロール・システムにそれを伝える事で、機体を自動的に立て直すことができる。瞬時にダメージを把握し、複雑な航空機の稼動部品を制御して対応することができるため、有人よりも優れた機体制御が可能だ。

この技術はイラクとアフガニスタンのPredatorとReaper以外の無人機に搭載され、中程度のダメージでの帰還率を高めることで、縮小された国防予算にある軍部に恩恵を与える予定だ。民間利用で考えると、この技術は将来的に有人機と無人機が共存することを示す重要な一歩となりうる。

0 コメント:

コメントを投稿