どこからか拾ってきた絵を持ち出して、海外のフェミニストはマンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』を非難している一方で、映画CUTIESを賞賛しているが、これは女性の年齢や露出度を考慮しておらず、マンガやアニメだから非難している証拠だと言いたそうなツイートが流れていた。しかし、その絵は、海外の大手メディアにまで紹介された映画CUTIESへの非難を無視している。
アメリカの保守派を中心に、映画CUTIESは少女をセクシー化しているとか、ペドフィリアを賛美していると言う批判があったのは確かのようだ。トム・コットン上院議員の非難が紹介されていた。CUTIESはフランス映画で映画祭で上演されたときは問題とされなかったが、NETFLIXのポスターが炎上して非難された。ポスター撤回要求に大量の署名が寄せられ、NETFLIXは謝罪の上、それに従っている*1。
この騒動、フェミニストはどう論評していたかなのだが、最近、日本でも名前が言及されるようになったフェミニスト作家のMelinda Tankard Reist氏は、一部のシーンは不快だが、全体としては思春期の少女のセクシー化を批判したドキュメンタリーに近い社会派作品で、名作だと評価している*2。露出などのセクシー化は誤ったエンパワーメントで、思春期の少女には保護が必要なことが分かる云々。同氏はH&Mの広告炎上事件のときの批判者の一人*3。なお、CUTIESの製作者である脚本家で監督のMaïmouna Doucouré氏はフェミニスト映画だと言っている。
フェミニストの意見は多様で、かつその論証もピンキリであるので一概化するのは難しいが、ポスターはダメだが映画はよいというのが当時の声では無かろうか*4。日本のアンフェが虚言や誇張でフェミニストの言説を戯画化しているのと同様に、海外のアンフェもそういう傾向があってもおかしくはない。粗雑なフェミニスト批判の絵の内容は真に受けないように注意しよう。
なお本稿は『宇崎ちゃんは遊びたい!』へのフェミニストの批判を肯定するものではないので悪しからず*5。
*1Cuties: Netflix apologises for promotional poster after controversy
*2“More girls in hell …”: The ethics of Maïmouna Doucouré’s film ‘Cuties’ - ABC Religion & Ethics
*3関連記事:H&Mの広告が炎上したのは、女の子をおめかしして可愛くみせようとする社会慣習を肯定していたから
*4ただし、フェミニストなのかは定かではないが、映画もダメだといっている女性もいた(Opinion: Netflix’s “Cuties” Promotes the Sexualization of Children – And That’s Not Okay | Liberty Champion)。
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