ユタ・ヴァレー大学での対談イベント中にMAGA論客のチャーリー・カーク氏が銃殺された*1。黒人やアジア人への蔑視発言で知られ*2、以前の銃乱射事件に関して「銃による死者は合衆国憲法修正第2条の権利を守るための代償であり…毎年何人かが銃で命を落とすコストは払う価値がある」と言ってきたインフルエンサーだ*3。犯人は特定されておらず動機はわかっていないが、政治的な理由であると想像されている。
この事件、一部の(アメリカ流のソーシャル)リベラルの品の悪さが露呈することになった。カーク氏の死を喜んでしまい、オバマ元大統領に死を悼めと暗に注意され、さらにはテネシー州立大学の大学教員でSNSに同情ゼロと投稿してしまい解雇される人まで出てきた*4。
右派によるキャンセルカルチャーだ。チャーリー・カーク氏の死をまず悼むべきだし、(動機は不明だが)犯人を民主主義の敵と非難すべきと言うのもわかるが、解雇すべきほどのことではない。トランプ大統領の報復を避けるための予防措置な気がするが、暗殺と同様に言論を萎縮させる。さらに、日本の「保守」界隈で、右派ばかり狙われる、(犯人不明のはずだが)リベラルの方が暴力的だと言い出す人々が出てきた。6月に民主党の州議会議員2人とその配偶者のあわせて4人がそれぞれ自宅で銃撃され、このうち2人が死亡した事件があったのだが。
今回の事件で露呈したリベラルと「保守」の悪いところは、実際は共有している振る舞いだ。「保守」もかなりの人が論敵の不幸を嘲笑しがちであるし、リベラルも、特にトランス権利活動家は、キャンセルカルチャーを辞さないところがあった。政治権力に忖度してと言う感じではなかったが。
追記(2025/09/13 03:36):ほぼ犯人確定の被疑者であるタイラー・ロビンソンが父親に促されて自首していたのだが、共和党支持の保守派一家に生まれたトランプ支持者のMAGAよりの青年で、民主党支持者ではなく、リベラルとは言えない人物であった。
*1Charlie Kirk in his own words: ‘prowling Blacks’ and ‘the great replacement strategy’ | Charlie Kirk shooting | The Guardian
*2米保守活動家チャーリー・カーク氏、大学イベントで銃撃され死亡
*3Charlie Kirk Says Gun Deaths ‘Unfortunately’ Worth it to ... - Newsweek
*4MTSU Associate Dean Laura Sosh-Lightsy fired over Charlie Kirk post
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