tag:blogger.com,1999:blog-2146761093276690524.post3627658257578815004..comments2024-03-15T17:06:06.124+09:00Comments on ニュースの社会科学的な裏側: スズメ減少説に惑わされる人々uncorrelatedhttp://www.blogger.com/profile/07259795262696796179noreply@blogger.comBlogger2125tag:blogger.com,1999:blog-2146761093276690524.post-85074361629155265912010-06-17T06:34:32.840+09:002010-06-17T06:34:32.840+09:00三上様
コメントありがとうございます。
お察しの通り、私の専門は社会科学系なので、鳥の生態について...三上様<br /><br />コメントありがとうございます。<br />お察しの通り、私の専門は社会科学系なので、鳥の生態については詳しくはありません。本稿は「日本のスズメが10分の1に激減」という見出しが一人歩きしている現象に対して疑問に思い、執筆しました。<br /><br />おっしゃる通り、スズメと他の鳥で被害を受ける作物は異なりますし、防鳥方法も異なりますね。全体傾向と同様なので、スズメの食害の減少は農業技術の進化と説明するには、論理の飛躍があったことは認めざるをえません。メッシュ分析は営巣数の何かだと思いますが、スズメが生息地域の面で減少傾向にある点も理解しました。<br /><br />ただ、雑食性で都市での環境適応能力も高いとされるスズメの数の推移は、営巣数を数えるなど、もっと相関関係が明確な指標で割り出す必要があると思っています。また、スズメの減少傾向を否定できない一方で、スズメ以外の鳥類の食害も大きく減少している点は、依然として疑問に残ります。<br /><br />詳細は、三上様を含む専門家の今後の調査で分かると思っていますが、身近な鳥だけに進展が気になるところですね。門外漢ながら、今後の研究の発展に期待させて頂きたいと思います。uncorrelatedhttps://www.blogger.com/profile/07259795262696796179noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2146761093276690524.post-9320541026104713022010-06-16T23:32:18.050+09:002010-06-16T23:32:18.050+09:00三上本人です。
非常に興味深いご意見ありがとうございます。
私の研究を好意的にしかし批判的にみてく...三上本人です。<br />非常に興味深いご意見ありがとうございます。<br /><br />私の研究を好意的にしかし批判的にみてくださりありがとうございます。<br /><br />安易に結果を受け取ることへの警鐘、わたしもまったく同感です。また、農業被害のデータからスズメの減少について述べることが誤った結論を導きだす可能性についてはまったくもって賛成です。<br /><br /><br />uncorrelatedさまがやった解析は私もしました。<br /><br />その結果に対する判断に違いがあるので面白いのですが、私は同様のグラフを書いて、「全体に対する割合も確かに減っているな」と判断して、(農業被害のデータを使ってもよいなと)安心した覚えがあります。<br /><br />確かにこれが、「被害面積が30%で変化がない」、「被害量も20%で変化がない」という場合であれば、これを使うのは意味が無くなってしまうかもしれませんが、減少傾向は見て取れます。<br /><br />また、ご指摘のあった5%あたりで下げ止まっていることですが、ある意味しかたないかと思います。<br /><br />被害そのものが小さくなると全体に対する寄与が小さくなります。たとえば全体が100のときに、スズメの被害が10から5に半減すると全体の割合が5%減少しますが、全体が100のときに5の被害が半減して2.5になっても、2.5%の減少しか見られないことになりますから。つまりスズメの個体数が毎年、同じ割合で減少して、その分被害が減少していったとしても、どうしても全体に対する割合の下がり方は鈍くなってしまうということが言いたいわけです。<br /><br /><br />そういう理由もありますが、実はそれ以外の理由で私は上記の解析結果を最終的には使いませんでした。<br />uncorrelatedさまはあまり鳥に詳しくないとお見受けしましたが(もしそうでなければご容赦ください)、問題はそこにあります。<br />他の鳥類被害と一緒に計算すると実は変なことが起こり得るのです。<br /><br />スズメの他に大きな農業被害をもたらす鳥は、カラス、ヒヨドリなどですが、これらはイネにも害を与えますが、多くは果樹などです。<br />http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_zyokyo/h14/pdf/ref_data1.pdf<br /><br />カモはイネに被害を与えますが、スズメとカモでは被害を与える時期も違いますし、防鳥方法も異なります。<br /><br />なので、それらを混ぜて計算すると何をしているのかわからなくなってしまいます。しかも、それぞれの鳥種が害を与える農作物の作付け面積も変化していますから、さらに何を計算しているのかわからなくなってしまうのです。<br /><br />というわけで、私の解析が不十分であるのと同様に、uncorrelatedさまの解析にもブラックボックスのところがあるわけです。<br /><br />と、批判めいたことを書きましたが、冒頭で申し上げましたように、農作物被害だけからスズメの減少を言うのには無理があるというのは、まったくもっておっしゃる通りだと思います。<br /><br /><br />論文の中ではもう少し多様な面から減少を検討しています。<br />たとえば次のようなものも使っています。以下のサイトの251ページをご覧ください。<br />http://www.biodic.go.jp/reports2/parts/6th/6_bird/6_bird_47.pdf<br /><br />これは環境省が日本の鳥類の繁殖分布を調査したもので、1970年の終わりごろと2000年ごろが比較されています。スズメを対象としたわけではなく、広く鳥類を対象とした調査結果です。<br /><br />詳しく説明するとかなりの文字数を割かなければならないので簡単にしますが、色が濃ければ濃いほどスズメの繁殖が濃厚なことをあらわしています。ぱっとみて色が薄くなっているのが見て取れるかと思いますが、調査面積が減ったから薄くなったわけではありません。まず間違いなくスズメが減少した結果だと思われます。また、実はこの図は、減少を過小評価するように解析されているのですが、それでも、これだけ減少傾向が見て取れますので、スズメが減少していることに間違いないかと思います。ただどれくらい減少したかということになるとやはりだいぶ曖昧さが出てきます。<br /><br />それについては現在いろいろな文献を集めて、検討中です。<br />結果が出ましたら、また発表いたしますので、厳しい目で見ていただければと思います。<br /><br />長文失礼いたしました。Unknownhttps://www.blogger.com/profile/05154206674873438067noreply@blogger.com