2021年12月26日日曜日

都市化の程度を考慮した人口あたりのCOVID-19死亡者数は大阪府、北海道、沖縄県が多い

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ノンフィクション作家の山岡淳一郎氏の「維新躍進のウラで…大阪の「コロナ死者数」が「日本で飛び抜けて最悪」になっている理由」と言うエッセイが反維新の人々に人気であったのだが、都市化の程度を考慮すると飛び抜けて最悪とも言えないことを指摘したい。イソジン推奨や雨合羽寄付や国産ワクチンなどの右往左往に関わらず、ワースト3に入るだけである。大阪府民は吉村大阪府知事、松井大阪市長を非難したほうが良いと思うが。

2021年12月24日金曜日

古代から中世の日本史がよく分かるようになる『荘園 — 墾田永年私財法から応仁の乱まで』

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日本史の教科書は経済構造の説明が薄いので、ずっと奈良~平安~院政~鎌倉~室町時代の社会の変遷と言うか繋がりが謎だった。奈良時代までいたはずの豪族の皆様は平安時代以後、音沙汰がなく霧散してしまった気がするし、皇室や貴族の皆様は鎌倉時代以後は霞を食べて生きていた気がしてくる。支配層や合戦の記述は切り口が悪く、当時の社会が見えてこない。

2021年12月14日火曜日

サンプルサイズを逐次拡大して統計的有意性を出すp-hackingはまずされない

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仮説検定で統計的有意性が無かったときに、観測数を増やすことで統計的有意性を捏造できるからP値の利用は不正を招くような話をネット界隈で見かけることがあり、繰り返し強調している数学者もいるのだが、そんな事は現実ではまずされないので指摘したい*1

実際に問題になっているのは、少ないサンプルサイズの実験で“偶然”異常値を引き当てたり、恣意的にサブサンプルだけを分析するchampion data problemの方だ。

2021年12月6日月曜日

萌え絵への非難はキャンセルカルチャーの範疇に入らないから

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ネット論客の青識亜論氏が「キャンセルカルチャーをキャンセルするには?――対抗戦略の具体的検討」と言う論考を書いている。女性表現物がフェミニストの非難で撤回や修正に追い込まれないようにするには・・・と言う話なのだが、キャンセルカルチャーの意味を誤解している。

古代ギリシャの陶片追放のように、人間を役職から降ろしたり、職場や共同体から追放するようなことをキャンセルカルチャーといって、発言を訂正させたり、表現物を撤回させたりするのは該当しない。

2021年12月2日木曜日

平安時代の貴族が自力救済社会に生きていたことが分かる『殴り合う貴族たち』

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ぼちぼち話題だった『殴り合う貴族たち』をぼちぼち拝読した。

賢人右府の二つ名を持つ藤原実資さねすけさんの日記の記述などを元に藤原道長の頃の平安時代の貴族たちの乱暴狼藉を紹介する本で、貴族の名前が覚えられないので読み進まないことを除けば面白い。

日本史の教科書では平安時代の雰囲気が良く分からないのだが、政府設備だった羅城門跡の礎石を藤原道長さんがくすねたとか、強盗に服を奪われて放置された女官が凍死して犬の餌になってしまった(と言うことになった事件)などの逸話が補完してくれる。