2017年2月28日火曜日

徴税権の資産価値が750兆円?

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衆議院の公聴会に高橋洋一氏の説明を批判した『財政再建は完了していない。』と言うエントリーの「徴税権が750兆円?」と言う部分について。750兆円と言う評価額も怪しいと言う指摘はその通りなのだが、会計の原則に反している方を忘れてはいけない。

フィリップスカーブは成り立つとは限りません

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広く知られる雇用/経済成長率とインフレ率のトレードオフの関係だが、不適切なマクロ金融政策であっさり壊れることが知られている(Lucas Islands Model)。また、そこそこ適切なマクロ金融政策をとっていても、観察されなくなる事もある。少なくとも、イギリスのデータを見ても成り立っている気配は無い。2011年にVAT税率引き上げがあるとは言え、トレードオフの関係は見られない。

2017年2月27日月曜日

リフレ派が非ケインズ効果を主張する

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嫌いなモノに片っ端から文句をつけると、整合性が取れなくなることはある。そういう事例をちょっと見かけたので、指摘しておきたい。学術分野の人や文筆活動をしている人が言っているのはなく、他の仕事をしている人のツイートなのでちょっと意地悪なのだが、陥りやすい所であるので。さて、問題のツイートを見てみよう。

インフレが消費を喚起するとは限らない

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日本でマクロ金融に興味がある人にはほぼ常識でも、ネット界隈では意外に知られていない故事がある。物価上昇率が高いと買いだめなどで消費(性向)が上昇すると思われているのだが、実際のところそうとは限らない。

実際、オイルショックのときには、低所得者層を中心に消費が抑制された。古賀・藤中・原(1977)は、「(23.2%と昭和25年(1950年)以降最高のインフレ率の)昭和49年の実質所得の低下期において,勤労者家計の消費性向が低下し,貯蓄率がますます高まる」と指摘し、さらに「消費性向の低下は低所得層ほど大幅」としている。

2017年2月23日木曜日

移民政策に関して上野千鶴子を批判する北田暁大の作文が

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社会学者の北田暁大氏が、昔の指導教官の上野千鶴子氏を批判している。社会学者の師弟対決なんて「ママ、あれなに?」「ダメよ、見ちゃダメ」案件なのではあるが、上野氏はきっと全スルーして対決にならないので、論点が錯乱している文章に文句をつけたい。つまり、低賃金外国人労働者に「家事/ケア労働」を任せ、日本人女性に高度技能職に就いてもらうことで、経済成長率を引き上げるべきだと考えているのであれば、どこかにはっきり書いて頂きたい。多文化主義が受け入れられない事による、移民増加による社会的不公正と抑圧と治安悪化は、北田氏が念頭に置いている政策の障害であって、北田氏が推進したい政策ではない。目的を隠して、目的に障害が無いことだけ主張し続けても、意味不明である。

2017年2月22日水曜日

シムズ式脱デフレ策に乗るべきか?

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インフレ目標達成までの消費税増税延期をすべきと言うシムズ式脱デフレ策が、マクロ金融政策に興味がある人々の間で話題になっており、国会質問でも言及されていた*1。日銀が国債の4割以上を買い占めるという大規模な量的緩和にも関わらず、未だにインフレ目標に未達の現状から、一部の量的緩和信奉者以外には金融政策の限界についてコンセンサスがあるようだ。消去法でシムズ式脱デフレ策は有力なデフレ対策になるわけだが、今から乗るべきかと言うと疑問符がつく。

FTPLでも財政破綻はする

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将来的な基礎的財政収支の黒字化を否定する人は少なくない。増税せずに財政赤字を放置してもインフレになるだけなので財政再建不要、日銀が国債を買って通貨供給すれば財政再建は完了などと言うような主張を聞いたことがある人は多いと思う。最近、こういう事を言ってきた人がFTPLに言及しているのを見かけるのだが、FTPLは彼らの説の強化には使えない。何か勘違いしているようだ。この理論、最後はあっさり財政破綻する。政府余剰の割引現在価値がマイナスになったらゲームオーバーで、幾ら物価が上がっても均衡しない。

2017年2月20日月曜日

世界はデフレでも成長している

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国際決済銀行(BIS)のペーパーで、歴史的には世界はデフレでも成長している事を説明しているモノ*1が流れていたのだが、この世の問題を全てデフレに帰着しがちな人に読ませたいものとなっていた。1870年から2013年までの38の国と地域を対象にした分析を行い、大恐慌を除けば消費者物価の下落は経済成長に影響を与えているのか怪しい一方、資産価格の下落は影響を与えていると言えるそうだ。このペーパーを読む限り、そう頑張って脱デフレをする必要は無さそうである。

2017年2月16日木曜日

FTPLでは量的緩和の効果は否定されている

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ネット界隈のリフレ派で、FTPLとリフレーション政策の中核である量的緩和が親和的だと言い出している人がいる。FTPLを使ってインフレ誘導ができると聞いて、インフレ誘導策であるはずの量的緩和と方向が同じと発想したのだと思うのだが、FTPLの代表的論文にある数式を確認すると、そこでは量的緩和の効果は否定されている。

2017年2月15日水曜日

消費増税後も家計消費はある意味低迷していなかった

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ネット界隈ではもちろん、メディアにおいても2014年の消費増税後に消費低迷が言わるようになって久しい。家計調査や商業動態統計では確かに低迷しているし、半年前までのGDP統計でも家計消費支出は低迷していた。しかし、増税による不景気が生じたはずなのに完全失業率は低下していき、雇用者報酬も増加した*1。消費と雇用に齟齬が生じていたわけで、これが一つの謎であった。だが、少子高齢化で医療や介護サービスへの需要が増えている事に気づくと、このパズルはあっさり解ける。

2017年2月13日月曜日

高齢化の影響を除外すれば、日本も成長している

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ネット界隈には今の失業率でも景気が悪いといい続けている人々は相当数いて、最近はその根拠として日本だけ一人あたりでも成長していないような事を言っている。確かにGDP成長率どころか、一人あたりGDP成長率でもぱっとしない数字が出てきているのだが、どちらも少子高齢化の影響を受けている事に気づいていないようだ。かつて白川日銀総裁(当時)が指摘していた事の請け売りだが*1、生産年齢人口一人あたりのGDPで見ると、少なくとも現在の日本経済は悪くは無い。

B/Sが肥大した日銀に可能なインフレの抑え方

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インフレ目標達成まで消費増税先送りと言うシムズ式脱デフレ策に対して、財政政策の拡大によってインフレ加速的な経路に乗ってしまうのでは無いかと危惧が出ている*1。シムズ案ではインフレになったら増税が待っていて、理論的にも経験的にも増税は有効なインフレ抑制策であることから考えると、少し神経質かなと言う気もするが、税制変更には時間がかかるので、一般的な金融政策が麻痺している現状に不安があるのも確かだ。日銀が出来る手を考えてみたい。

2017年2月9日木曜日

シムズ式脱デフレ策はリフレ派のそれとは随分異なる

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先日、ノーベル賞経済学者のシムズ・プリンストン大学教授が来日して、あちこちでシムズ式脱デフレ策を披露して去っていった。そして、いつもの事だが、図ってか図らずか、権威の発言を捻じ曲げている人々が現われている。特にネット界隈のリフレ派の皆様の解釈がおかしい事になっているので指摘しておきたい。追加的な量的緩和も、追加的な財政政策も求めていないから。

2017年2月7日火曜日

GDPの改訂によって、ここ4年間の経済が明るく見える

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昨年末に国民経済計算の平成23年基準改定および2008SNA対応が行なわれ*1、GDPの値が改訂されたので以前作った就業者一人あたり実質GDPと失業率の図表を改訂してみた。微妙なところなのだが、2013年以降のGDPがかさ上げされており、ここ4年間の労働生産性がそれ以前よりも改善しているように見えるようになった。GDP不信になりそうだが、少し見解を訂正すべき人が出てくるかも知れない。

2017年2月5日日曜日

雇用改善しているのに、景気が良くない気がする理由

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金融政策の転換と言う意味でのアベノミクスで景気が回復したような話を良く見かけるのだが、色々と考えると同意しづらい所は多い*1。リフレ派の皆様も、デフレに戻ったので景気対策が必要と言っているので、実のところアベノミクスの成果をそんなに認めていない。なぜ、雇用が良い*2のに、景気が良くない気がするのであろうか。既に反安倍の人々が指摘している事を、請け売りしたい。つまり、高齢化に伴い介護サービスの従事者が増えている一方で、その他の就業者数が以前の水準に回復しているわけではないからだ。

2017年2月2日木曜日

FTPLはリフレーション政策の肯定には使えない

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リフレ派の代表とされる岩田規久男氏が「よく、『何もかも日銀のせいにしている』と批判されるが、よく考えてみると、世の中で起きている問題の多くは、元をただせばやはり日銀のせいだと言える」と言っていたのを、覚えているであろうか。岩田氏が副総裁として加わった現在の日銀の執行部は、量的緩和とインフレ目標政策の組み合わせである所謂リフレーション政策によって、期待インフレ率を引き上げ、投資を拡大し、実際にインフレを引き起こす事ができると説明してきた。しかし、その結果はぱっとしない。