2017年6月26日月曜日

米海兵隊オスプレイの佐賀空港移転案と辺野古移設の無矛盾性

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外務省と防衛省が偽の米軍からの説明を造り上げ、普天間基地から徳之島への米軍基地移転を目指していた鳩山由紀夫元首相を、従来路線の辺野古移設に戻したとする説をジャーナリストの田中龍作氏が主張していたのを真に受けている人がいたので、この陰謀論の問題点を指摘しておきたい。問題の説明が正しいとすると、安部政権の米海兵隊オスプレイの佐賀空港移転案も無理になると言うのがロジックなのだが、航空機の機種ごとに後続距離が異なることを見落としている。

田中龍作氏のブログのエントリーには、外務省と防衛省が作成したと言う文書の写真が掲載されている。文書の部分を拡大してみよう。

米側からの説明と言うか要望なのだが、多目的ヘリ(UH-1)の無給油での航空可能時間は2時間であるので、沖縄の陸上部隊基地と徳之島の往復に2時間をかけると給油なしでは訓練できなくなり、日常的な運用に支障を来たすと言うような話がかかれている。安部政権の提案は、米海兵隊V-22オスプレイの佐賀空港移転なので、問題となっている機種が異なる。だから、外務省と防衛省は鳩山氏を騙したとは言えない。

なお、2014年からされている安部政権の提案も、現時点では米軍は受け入れていない。V-22オスプレイの速度と後続距離からすると不可能ではないはずだが、米軍にとって沖縄以外に人員を置くのは、かなりの作業となる。

米兵などの米軍属は、日本語や日本文化に慣れ親しんでいるわけでもなく、適応力の高い器用な人材だけで構成されているわけではない。また、戦時中の前線基地ではないので、米軍属の家族も日本にやってくるため、米国に近い居住環境を用意する必要がある。だから、米軍基地は中に学校や病院やショッピングセンターもある一つの街になっており、そうは簡単にあちこちに作ることはできない。

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