2017年4月1日土曜日

米国が北朝鮮への軍事攻撃を避ける理由

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朝鮮戦争の再開につながると、中国人民解放軍が出てくる可能性が高いから。朝鮮戦争から考えると蓋然性は高いのだが、最近、これがすっぽり抜けている朝鮮半島情勢や安全保障の専門家がいる。戦争平和社会学者の北村淳氏の「米国で北朝鮮攻撃が議論の的に、日本は備えを急げ ソウルは火の海に、日本も報復攻撃されることは確実」でもそうなっていたし、フジテレビの3月29日のプライムニュースでも、佐藤正久氏、高永喆氏、渡部恒雄氏と詳しそうな人が出ているのに忘れ去られていた。

もし米中が戦うことになれば、限定された地域で通常兵器と通常兵器がぶつかり合うマンガ的な「設定」での戦争になると予想される。中国人民解放軍は朝鮮戦争と同様に「義勇兵」として参加して戦闘地域を絞る「提案」をしてくるだろうし、米国としても経済への影響を最小限にするために、または核戦争のリスクを避けるためにこれに乗るであろう。米軍は通商妨害などで戦略的に勝利する事はできなくなるので、通常兵器による戦闘勝利を積み上げる必要が出てくる。

もちろん米軍は通常兵器においても抜群に優秀だ。しかし、経済力と装備が充実した現在の中国人民解放軍と地域限定で戦うのは、米軍と言えども苦労が予想される。90年代の推定でも米兵が数万、韓国兵が数十万の被害が予想されていたが、これよりも大きなダメージを受けるであろう。制空権をとってスマート爆弾を打ち込んでいく得意の戦術も、中国であれば大量のGPSジャマーで妨害する事も十分可能だ*1。最悪、再び膠着状態に陥る事も予想していると思う。

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