2016年12月31日土曜日

日本表面科学会が編集したエッセイ集

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単に自分の興味関心を世間と共有したいために書いている研究者も多い気がするのだが、一般向けの啓蒙書は、研究成果を世間に広めることで研究資金や後進となる学生を得る可能性が増すことができる、良いアカデミアのマーケティング手法だと思う。ただし、平易に書いてあるが題材の説明になっていないモノや、手堅く書きすぎて単なる教科書になっているものなど、失礼ながら駄作も少なくない。玉石混合な所も含めて大衆向け科学書の面白いところだが、新たに組織で出したらしっかりした内容なのにまとまりが無くなる事例が発生していた。

2016年12月15日木曜日

V-22オスプレイの不時着を語りだす前に知っておくべきこと

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空中給油中にローターを破損し、機体不安定な状態で市街地上空の飛行を回避するために、沖縄県名護市沿岸で着水し大破したティルトローター機V-22オスプレイの2016年12月13日の事故*1に関して、その危険性を強調した話をしだしている人をそこそこ見かけるのだが、最低限知っておくべき事が幾つも抜けている気がしてならない。過去の米軍機や自衛隊機の事故について、少しは調べて比較して欲しい。

2016年12月13日火曜日

「優生学と人間社会」を読んで左派のレッテル貼りを検証したら

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ネット界隈の左派が自明の禁忌としているものの一つに優生学があり、生命倫理や介護医療などで気に入らない言説に優生学だとレッテルを貼って回っているところがある。ナチス・ドイツの行なった障害者の安楽死計画と同じだと言いたいようなのだが、それにしては広範囲に適用し過ぎなところがあるし、彼らは妄信的かつ短絡的な議論しかできないので、その理屈を汲み取るのは難しい。そこで「優生学と人間社会」を読んで、優生学が禁忌とされる事情を確認してみたら、もっと大きな倫理的な話題が議論されていた。

2016年12月8日木曜日

公教育支出の男女格差自体が問題なのか?

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日本の女子達は3200億円程の不平等を受けている』と言うNPO法人/国連児童基金の畠山勝太氏の論説が奇妙に思えるが言語化できないという質問をもらった。拝読してみたのだが、確かに捉えどころが難しい。

畠山氏は男女の進路の傾向の差異によって生じる社会格差を是正すべきと言いたいのだが、女子へのアファーマティブ・アクションを肯定するための方便として公教育支出の男女格差を是正すべき問題のように見せかけているので、内的整合性に問題が出てきて論説全体の主張が分かりづらいものとなっている。自分の問題意識を良く整理できておらず、それとは乖離のある方便を信じ込んでしまっているかも知れない。

2016年12月4日日曜日

韓国政治が世界的にも例を見ない「政治実験」になるとき

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友人に政策運営を相談し、さらに便宜を図ったことから、野党と与党の一部が弾劾の動きを見せている韓国の朴槿恵大統領だが、その進退を国会に任せる旨の談話を出して混乱を招いており、少なくとも12月2日の弾劾手続き開始の発議は回避する効果を持った。翌日に発議されたが。

韓国政治の専門家の浅羽祐樹氏によると「政局を混乱させることが狙い」で「次の大統領レースに出場する選手たち(多くは国会議員)が、一番大きい変数となるレースの日程を決める」『世界的にも例を見ない「政治実験」』になるそうだ*1。しかし、違和感が残る議論になっている。弾劾もしくは、弾劾を避けるための辞任であれば、異例とも言えない。

2016年12月2日金曜日

ユーラシア大陸の「食の人類史」

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何事にもルーツが気になるのは人の性で、日本民族の出自もそれなり話題になる。それを辿るのは人類学と言うことになるが、分子生物学の発展によって、ここ数十年で色々とその知見は更新されて来た。民族の血統に関してもそうだし、その民族が栽培・飼育してきた農作物や畜産物についてもそうである。広い範囲のこのような知見をつなぎ合わせて、ユーラシア大陸全体の大きい絵を描写しようと試みた本が出ていた。「食の人類史」だ。