2016年1月29日金曜日

ミクロ経済学のマクロ的基礎

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経済学と言えば、需要曲線と供給曲線が交わる図を思い浮かべる人は多いと思う。教科書では価格規制などの政策効果の分析をしたりするのだが、実はこの図には大きな仮定がある。分析している財の支出に占める割合が小さい事を理由に、所得効果が無視されているのだ。

ミクロ経済学ではスルツキー分解として習うが、価格の変化は代替効果と所得効果による需要の変化をもたらす。電気代が一定で、灯油価格が下がったときの暖房を考えよう。まず、エアコンではなく、灯油ファンヒーターを使うようになるはずで、これを代替効果と呼ぶ。次に、電気代と灯油代が少なくなって余裕が出来ることから、暖房を良く効かせるようになるはずで、これを所得効果と呼ぶ。

2016年1月20日水曜日

社会学者とその参照論文の「出生率をめぐるパズル」への回答の違い

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社会学者の筒井淳也氏の『出生率をめぐるパズルと、それに対する「答え」』と言うエントリーが流れてきた。国際比較をすると女性労働参加率と出生率は逆相関する傾向があったのだが、1990年ぐらいからそれが変化し順相関になった現象をパズルとして捉えているのだが、この理由の説明の細部において、筒井氏が言及した論文と、筒井氏の説明に食い違いがあるので指摘したい。細部とは言え、政治的には重要なポイントだと思う。

2016年1月19日火曜日

ある社会学者の社会的分断の解消論について

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連合総研の機関誌『DIO』311号に掲載されていた社会学者の筒井淳也氏の「社会的分断を超えて」と言うエッセイに気になる点がかなりあったので指摘したい。労働問題の専門家の濱口氏のように、腹ふくれ満ち足りたブルジョワの息子の手すさびみたいな議論とは言わない*1が、ロールズの正義論を持ち込んでまとまりが悪くなっているし、藁人形論法に思える箇所が多々ある。そもそも筒井氏の主張の正当化に、社会的分断と言う概念は必要なのであろうか。

2016年1月14日木曜日

マイケル・サンデルの経済学批判

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日本ではNHKのテレビ番組「ハーバード白熱教室」で有名になったマイケル・サンデル教授は、経済学批判に熱心なコミュタリアンとして知られている。単に批判的と言うわけではなくて、経済学者の目に付く所で堂々と批判している人で、経済学の学術雑誌にも寄稿している強者だ*1。著作を読む気力は沸かないのだが、それが短い論文だったので読んでみた。

2016年1月3日日曜日

空っぽのリベラルの心に魂を埋めるために

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日本で「リベラル」を自称する人々の思想的背景は、大学で習うような伝統的な哲学や倫理学とは関係がなく、社会運動をしていく中で培われたモノだと言って良いと思う。この傾向に問題を感じる「リベラル」もいるらしく、その主張を正当化するために倫理学方面の議論を参照しようとしているのだが、浮いた感じの議論になっていて宜しくない。流行りものに取り付かれていて、伝統的議論からの乖離してしまっている。少しはまともな議論が出来るように、簡単な文献を紹介してみたい。

ドイツ近代史を手軽に確認するための四冊

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自分と政治的意見が異なる人間を、安易にレイシストやヒトラーと罵る左派の人々はよく見かける。あまりに安易にレッテルを貼るので、レイシストのヒトラーがどういう行為を行ったのか、ヒトラーが権力を握るまでのドイツ政治がどのような経緯を辿っていたのか、どうも彼らは良く理解していないようにすら感じる。逆に、安易に外交的妥協を批判する人々もいるのだが、対外強攻策を突き進んでいったドイツがどういう結果になったのかが、顧みられていないのが気になる。そういう自分も流れとして追えているわけではないので、新書四冊でドイツ近代史を確認してみた。何だかんだと現代の政治や思想に影響を与えているドイツ近代史が、こういう事になっているのだと分かるので、ネット界隈の右派や左派の人々にお勧めしたい。