2016年7月21日木曜日

ハーグの仲裁裁判所の判断が習近平に呪いをかける

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スプラトリー諸島で中国が整備する人工島に関する、オランダはハーグの仲裁裁判所の裁定は、中国の主張を全面的に否定する強烈なモノになった。習近平国家主席にとっては、外交的にはもちろん、国内政治的に手痛い打撃であろう。中国人民は、裁判に負けたと言う事実から、習近平氏の外交手腕を疑いだすはずだ。

ネトウヨの皆様は竹島と尖閣諸島に関する外務省資料を読み込んでいるので、紛争発生前に徴税などの施政権を行使している事が重要であって、建設物の構築などは国際慣習法からは意味が無いことは知っているだろうから、この判決に意外性は無いと思う。判決自体を不当として、それに従わないその後の中国政府の言動も予想通りであろう。

領域拡張は、中国共産党の権威を高め、自身の党内基盤を固めるので、習近平氏はぜひ何か実現したいと考えていたと思う。経済的な利益は、ほとんど無い。一部で原油採掘が可能かも知れないが、海底油田は高コストな上に、紛争地域での操業はリスクを抱える。有能な指導者を誇示したがっていると考える方が妥当であろう。名誉の問題なので、裁判でも何でも負けたのは、打撃である。

フィリピンから見ると、中国を追い出すには遥かに至らないわけだが、日本や米国などの第三国も明確にフィリピンの主張を支持できるようになったし、親中派かも知れないと言われるドゥテルテ大統領も判決内容よりも譲歩した合意をしづらい状況になった。フィリピンのアキノ前大統領の外交手腕は高く評価されるべき。日本政府も竹島の問題で、こういう風に上手く立ち回って欲しい。

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