2016年7月11日月曜日

リフレ派はブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)に触れてはいけない

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量的緩和が期待インフレ率に働きかけるメカニズムが不明瞭であると言う指摘に、リフレ派の人が、異次元緩和や追加緩和の後にブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が上昇していると主張していた。BEIは、固定金利の長期国債の利回りから、物価連動国債の利回りを引いたもので、債券トレーダーの期待インフレ率そのものになる。理屈はともかくコレが上昇していれば、期待インフレ率が上昇していると言い張る事ができる。さて、日本相互証券株式会社のBEIのグラフから、実際にBEIが上がったのか見てみよう。

まずは昔とったキャプチャー画像だが、2013年4月4日の異次元緩和決定の頃を見てみよう。

日本は物価連動国債の発行量が少なく、この時期は特に枯渇気味で信頼性が無いのだが、BEIは数ヶ月間上昇しただけで、元に戻ってしまっている。マネタリーベースを2年で3倍にすると言う衝撃のアナウンスによる効果は、持続性が無かった。

2014年10月末の追加緩和の発表の頃も見ておこう。こちらはちょっと上昇したかなと言う感じのあと、上昇幅を超える下落を見せている。

BEIの推移から言えることは、2013年4月の異次元緩和も、2014年10月末の追加緩和も、期待インフレ率を数ヶ月間引き上げる効果はあったが、持続しなかった。量的緩和が他に波及するほど期待インフレ率を引き上げるとは、言い難い。

リフレ派が量的緩和に効果があると言い張りたいのは分かるのだが、論拠となる数字ぐらいは確認してから引用して欲しい。なお、2013年の後半の断続的な動きから分かると思うが、日本のBEIは物価連動国債の発行状況から信頼性は高くは無いので、あくまで参考指標とすることをお勧めする。

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