2015年1月28日水曜日

「若者の海外旅行離れ」を検証してみた

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「若者の・・・離れ」を嘆く記事を良く見かける昨今だが、昨日も「なぜ若い人たちは海外に行かなくなったのか」と言う記事が出ていた。「20代の海外旅行者は1996年に約460万人とピークに達し、以降はずっと減り続け、2012年には約300万人にまで落ち込んでしまった」そうだ。「とりわけ減少が甚だしいのが若い男性」で、20代男性に意識の変化があり、インターネットで海外情報を得ることで満足していると指摘している。記事を書いた渋谷和宏氏は、もっとインターネットで勉強したほうがよい。

少子高齢化を忘れている。20代の人口は1996年が1913万人、2012年は1332万人となっている。20代平均海外旅行回数を計算すると、0.242回/人が0.227回/人に減ったわけだが、若者の行動が変わった分(6.0%減)よりも、ずっと人口減少の影響(30.4%減)の方が大きいことが分かる。しかも、1996年がピークなのは同じだが、2009年から増加に転じている。

1996年と2012年を比較して、若い男性の減少がとりわけ大きいと言う主張は、統計とほとんど合致しない。1996年の20代の海外旅行者の男性率は37.4%で、2012年は36.6%、2013年は37.5%で大きな変化は無い。今も昔も、女性の方が海外旅行好きである。リーマンショック後に男性率が落ちているが、2001年から男性率が高くなっていたことを見過ごしているようだ。

何も統計を確認しないで記事を書いたのだと思うのだが、インターネットで公開情報を拾ってくるだけでも見えてくるものは変わってくるので、手間隙を惜しまず数字を見ることをお勧めしたい。

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