2014年5月30日金曜日

「賄賂」は悪いものなのか? ─ 不公平なだけではなく非効率です

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中国メディアのコミカルな報道をよく紹介している凜氏が、『「賄賂」は悪いものなのか?』と言うブログのエントリーをあげている。他国の慣習を否定するつもりは無いと言うのは理解できるが、「中国の賄賂を一概に否定するつもりはありませんが、こうしたコネを持てない(贈り物をすることができない)貧しい人たちにしてみれば不公平極まりない」と言うのは、効率性の視点が抜けているように思える。

2014年5月27日火曜日

「残業代ゼロ案」は「みなし残業制」と同じものになった

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労働時間にかかわらず賃金が一定になる雇用制度だが、「幹部候補」などに限定して年収の条件を外すと報じられ(朝日新聞)、ネット界隈では制度を悪用する企業が増えるのではないかと危惧されているようだ。しかし、これは杞憂に過ぎないように思える。朝日新聞のサイトに会員登録するのが嫌なのか、以下の部分まで読んでないのが分かる。

大日本帝国陸軍のへたれっぷりが分かる『日本軍と日本兵』

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終戦後、だいぶ時間が経ったせいか、太平洋戦争で日本軍がどれぐらい弱かったのか良く認識できない人が増えてきたそうだ。脆弱で知られた大日本帝国陸軍を賛美しだす人々までいるらしい。埼玉大学の一ノ瀬俊也氏の『日本軍と日本兵』は、そういう根拠不明な思い込みを、米陸軍省軍事情報部の兵員向け情報誌Intelligence Bulletinを中心に、大日本帝国陸軍の実像を描くことで間接的に否定しようとする本だ。数量として細かい戦果や被害は示されていないものの、陸軍の作戦行動の変遷やその妥当性についての知識を得ることができる。

2014年5月26日月曜日

解雇されるならば、会社を止めてやる

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ガス会社のEnerVest社の前エンジニアのRicky Joe Mitchell被告が、2012年に同社のコンピューター・システムの動作を妨害し、一ヶ月の間の操業を邪魔したとして、懲役4年が宣告された。また42万8000ドルの復旧費用と、10万ドルの罰金を払うことが命じられているそうだ。解雇されそうな事に気付いた被告は同社の工場のサーバー設定を初期値リセットし、冷却機器とデータ複製システム*1を停止したらしい(ITworld)。

遠隔操作事件のある勝手なプロファイリング

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片山被告が犯行を認める供述をしたことで、マルウェアによる遠隔操作事件は全容が明らかになる見込みが立ったが、この事件では色々な問題が露呈、もしくは再確認された。現在の取調べにおける供述の信頼性が低いこと、被疑者の長期拘束が安易に行われたなどが挙げられると思う。これらは取調べの可視化の文脈で検証されていくべきことだと思うが、一部の人々のある種のリテラシーが低い事も目に付いた。

2014年5月23日金曜日

池田信夫さん、法治国家の司法判断は重いから

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大飯原発の再稼動差し止め判決について、経済評論家の池田信夫氏が法治国家を否定する発言をしている。曰く、「運転を差し止める権限は裁判所にはない」「停止命令を出せるのは、原子力規制委員会だけ」だそうだ。

民事訴訟で建設・操業差止請求を出すことは出来ること、即時抗告をすれば確定遮断の効力があるので地裁の命令を無視できるだけなことを分かっていないようだが、以前の氏の論調から考えると、反原発派が司法を利用した事を評価すべきでは無いのであろうか。

2014年5月18日日曜日

ロゴフ「ピケティの資産課税は下手な策や、コレの方がええ」

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フランス人経済学者ピケティの話題の本"Capital in the Twenty-First Century"に対してハーバード大学教授のケネス・ロゴフが、モデルが無いので良く分からないと、全般的に懐疑的なコメントを書いている。

曰く、不平等になったと言うのは先進国だけを見た結果で、途上国も見たら格差は縮まっているから逆の事も言えるそうだ。また、過去何十年間かで資本収益率が高まったのは確かではあるが、様々な要因を考慮していないと指摘している。例えばアジアの労働者がその主要因であれば、資本が調整されれば賃金も上がるであろうし、高齢労働者が引退することで結局は賃金率は上昇する。逆にもし、避けようのない機械化の進展が主要因であれば、賃金の下方圧力が続く事になる。

政府が働きすぎを心配する必要は無い ─ そう、本当のホワイトカラーならね。

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ホワイトカラーエグゼンプションの話になると思うのだが、濱口氏が産業競争力会議の長谷川ペーパーのAタイプ(労働時間上限要件型)に関して、政府が労働時間の量的上限を決めないことを批判している*1。しかし労働時間の直接規制よりも、労働者の裁量権をどう維持するかの方が重要に思える。濱口氏の議論は、働き過ぎや過労死を直接防止する事に注意が行き過ぎなのでは無いであろうか*2。本当のホワイトカラー*3ならば、業務量を減らしてでも、死なない程度に労働時間を定めるはずだからだ。

ベトナムが中国の海洋進出を食い止めるためにするべきこと

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ベトナムで中国による南シナ海の石油掘削に抗議する反中デモが暴徒化し、全土に広がっている(日経)。間違って日本や台湾の工場も襲われているらしい(NHK)。しかし、一方的な領海の宣言と資源採掘の強行に不満を持つのは分かるが、外国直接投資(FDI)に影響が及ぶ行為は自制したほうがベトナムのためのように思える。経済力が劣っている状況を挽回しないと、装備が重要な海戦では勝つ可能性がほとんど無いからだ。

2014年5月14日水曜日

経済学で考えても、労働規制と雇用慣行は区別すべき

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労働問題の専門家の濱口氏が「労働時間法制への基本的な勘違いについて」と言うエントリーで、圧倒的大部分の経済学者や評論家は、労働基準法の労働時間規制と就業規則との根本的な区別がわかっていないと批判しているのだが、それが難癖だと思う人もいるようだ(ask.fm)。政策判断に影響しないのであれば、どっちだっていいだろうと思うらしい。しかし、理論的に規制と慣行は大きな違いがあり、その差が政策にも影響する可能性は低くない。素朴に考えても、規制されていないモノを規制されていると言うのは藁人形論法だし、規制されていないモノに規制緩和が何かをもたらすとは考えづらい。

2014年5月10日土曜日

池田信夫はソロー・モデルの理解からして間違っている

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経済評論家の池田信夫氏が「マルクスは正しかった」と言うエントリーで、ノーベル賞経済学者のソローのピケティ"Capital in the Twenty-First Century"の書評*1の誤読を枕に、ソロー・スワン・モデルの間違った解説と、マルクス経済学のプロパガンダを展開しているので、問題点を指摘してみたい。

2014年5月8日木曜日

選好の奴隷は自由意志を持つか? ─ 戸田山和久『哲学入門』のある感想

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意欲作と評判の高い科学哲学者の戸田山和久氏の『哲学入門』を拝読した。確かに意欲作で、かったるいが興味深い。科学と整合的な形で言葉の意味を定義して行きながら、気付くと大きな問いへの答えが提示されている。科学と整合的であろうとしているため、科学の進歩で議論が崩れる可能性はあるらしいが、議論の内容は魅力的だと思う。選好の奴隷は自由意志を持つか考えされられた。驚くべきことに、持つと言い張れるらしい。

2014年5月7日水曜日

失業率低下と名目賃金上昇を前にした池田信夫

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経済評論家の池田信夫氏が「人手不足が示すアベノミクスの終わり」で、「日銀は有害無益な量的緩和をやめる出口戦略を示すべきだ」と主張している。黒田日銀を批判したいのは分かるのだが、文全体に混乱が見られる。“有害無益な”とあるののに、何に有害で、何に無益なのかが明示されていない。

「円安とエネルギー価格の上昇で輸入インフレになり、実質賃金が下がった」事が問題なのであろうか。現象としては円相場が購買力平価(PPP)為替レートの前後で推移しているのは確かだ。しかし、池田信夫氏は黒田日銀が原因とは主張できないように思える。

2014年5月2日金曜日

スズメ減少説のその後が分かる『スズメの謎:身近な野鳥が減っている!?』

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四年前ほどにスズメ減少説が広く報道された*1。当時は減ったらしいと言う以上に確定的な事は分かっていなかったのだが、問題提起を行っていた岩手医科大学の三上修氏が研究を進めていき、情報が整理されたようだ。学術論文にだけでは無く、『スズメの謎:身近な野鳥が減っている!?』と言う一般書で研究成果の概要を紹介されていたので拝読してみた。ええ、2012年12月に出版されていたのに、一昨日まで気付かなかったのですよ。中は児童書的な装丁にも関わらず、スズメ減少とその要因だけではなく、研究動機、研究方法とその難しさについても丁寧に書かれた包括的な本になっている。情報を冷静に考えて欲しいと言う、著者の思いが垣間見える気がした。

健康な国ほど可愛らしい女性がモテモテ?

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Biology Letters誌に掲載されたフィンランドのトゥルク大学のUrszula Marcinkowska氏とその同僚の28か国の男性2,000人を対象にした調査によると、人々が健康な社会では、男性ホルモンであるオストロゲンの影響が弱く、女性ホルモンであるエストロゲンの影響が強い女性らしい女性が男性に好まれるそうだ。個々の人間の健康ではなく、社会全体の健康度が影響している。この傾向の理由は不明だが、国富や男女比ではなく、健康度が重要らしい(The Economist)。

基本知識の説明から難問の紹介に辿りつく「数学ガール/フェルマーの最終定理」

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数学ガールの本編5冊のうち、「数学ガール/フェルマーの最終定理」を最後に手をとる事になった。難問の紹介と基本知識の説明を両立していて、小説部分もキャラクターの描写として広がりのあるものとなっており、シリーズ中、最もまとまっている作品に感じた。大学入学前に読んでおくと復習と予習と酒席*1の小ネタになって良さそうだ。

2014年5月1日木曜日

片親でも子どもの幸福度は変わらない

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ロンドンのNatCen研究所の1万2000人以上の7歳児を対象にした調査で、家族形態よりも親子関係の方が重要な事が示されたそうだ(Mail Online)。