2013年8月31日土曜日

マクロ経営学から見た太平洋戦争

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安倍総理を始めとして、戦前の日本を肯定しようとする人々は根強く存在する。対外拡張政策の是非について、例えば“侵略戦争”であったか否かで議論が道徳的観点から行われるのだが、もっと対外膨張戦略が戦略的にナンセンスだった事は認識されても良いと思う。そういう観点から戦前の軍部を強く批判しているのが「マクロ経営学から見た太平洋戦争」だ。

2013年8月27日火曜日

韓国専門の政治学者が日韓対立を煽りたくないのは分かるものの

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韓国を専門とする国際政治学者の浅羽祐樹氏が、韓国司法を分析している(SYNODOS)。韓国に留学していたので韓国好きだと思うのだが、説得力があるように感じない。

まず、浅羽氏は日韓併合が合法か違法かで見解が異なる事を紹介しているが、条約の解釈にどう影響するのかを示していない。また、韓国司法が「日韓請求権並びに経済協力協定」を一部否定していることを無視している。さらに、浅羽氏の分析と政策提言は論理が乖離しているように思える。

2013年8月25日日曜日

ガッチャマンで応用されるゲーム理論

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実写版『ガッチャマン』は賛否分かれているようだ*1が、アニメ版のガッチャマンもよく考えると突っ込み所が多い作品で、プロットを大幅に替えても仕方が無い。また、正義の味方の科学忍者隊は敵を倒すためなら放射能汚染も省みず、世界を守るためなら同士の死も躊躇しない事がよしとされる*2ので、今のアニメなら敵役になりそうな設定にもなっていた。

クラウド・コンピューティングで消費者物価指数を作る

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政府機関が公表している物価指数は、調査時点から公表まで時間がかかり、公表される頻度が一ヶ月間隔と長く、詳細な原データが公表されないと言う問題があった。食糧危機やエネルギー価格の高騰から、これらの問題を解決が求められており、世界銀行のグループがインターネットを通じて新たな指数の作成を試みたそうだ(Open Data)。

2013年8月24日土曜日

ファイナンシャルプランナーの中原圭介に騙されるな!

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日本人は、「経済学」にだまされるな!』と言うコラムで、需要曲線と供給曲線からしておかしいと、ファイナンシャルプランナーの中原圭介氏が主張している。

しかし「あのグラフは、フローを表現できていなくて、取引や選択が瞬間的に成立するということを暗黙の前提としている」「需給曲線には時間の観念が欠けている」と指摘しているので、誤解があるようだ。

2013年8月23日金曜日

もっと経済数学を

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ノーベル賞経済学者のクルッグマンが、経済数学は費用対効果が悪いと言うBryan Caplanジョージメイソン大学教授の主張を真っ向から否定している(NYTimes.com)。スタージョンの法則の通り9割の議論はカスだが、数理経済モデルなしではカスの比率が9割よりもっと上がるそうだ。大雑把に、以下のような事を言っている。

2013年8月21日水曜日

新日鉄住金の訴訟で「法の支配」を語る前に

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経済評論家の池田信夫氏が『新日鉄は「法の支配」を守り抜け』と言っているのだが、韓国司法の意味不明さはともかく、現実とは乖離した妄想になっている*1

韓国の最高裁で新日鉄住金が賠償を命じられても、新日鉄住金は損害賠償を拒否しろと言うものだが、間違いなく韓国の司法システムを拒絶する事になるので、「法の支配」を守ることになるかは分からない。

議論が曖昧な「組織は合理的に失敗する」

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以前に著者とある評論家の間の言い合いで話題になっていた「組織は合理的に失敗する」を拝読した。

第一部で「新制度派経済学」と言う分析フレームワークを提示し、第二部で太平洋戦争中の日本陸軍の作戦行動を分析し、談三部で他の成功・失敗事例を列挙しつつ組織の「歴史的不可逆性原理」を提案しつつ、適切な組織設計について議論を行っていく。

2013年8月17日土曜日

オバマ政権の税制改革に関するポズナーの見解:所得税引き上げは支持

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法と経済学の重鎮で、シカゴ学派で知られるポズナーが税制改革について、限定的にだが支持をしている(The Becker-Posner Blog)。

オバマ政権は課税所得25万ドル以上の限界所得税率を35%からほぼ40%、キャピタルゲインと配当課税を15%から23%に引き上げるような提案しているが、ポスナーの評価によると、少なくとも所得税の増税は、経済的にも、政治的にも妥当なようだ。

2013年8月16日金曜日

ギルボア「合理的選択」は「ひたすら読む理論経済学」

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経済学は誤解されやすい学問で、よく人文科学系の人々から批判されている。

合理的な個人を仮定し、効率性を議論する所を疑問視されるのだが、合理的や効率性の意味が良く理解されていない事が少なくなく、合理的選択理論の限界について経済学者が議論していることも知られていない。

こんな勘違いな批判者が続出するのは、経済学で使う言葉の意味が理解されていないからだ。言葉の意味が知られていない理由は、二つあると思う。一つは、経済学が数学を用いて体系化した学問であって、人文科学系の学者にとっつきにくい。一つは、経済評論家が理解できていない経済用語を振り回し、それから誤解が広まっている。

2013年8月15日木曜日

男子4人と女子2人が一列に並ぶとき

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「男子4人と女子2人が1列に並ぶとき、女子2人が隣り合う確率は?」と言う問題を考えてみよう。

もし貴方がガサツな人間であれば、女子2名が1~6までの場所を選択する組み合わせの数Aと、女子2名が横に並ぶ組み合わせの数Bを求め、B/Aが答えだと考えるであろう。Aは6C2=15、Bは●●○○○○、○●●○○○、・・・、○○○○●●と数えて5になる。ガサツな人の答えはB/A=5/15=1/3だ*1

2013年8月14日水曜日

税収弾性値3~4に飛びつく前に知るべきこと

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正しい推測では消費増税はいらない?」で、政府が1.1程度と見ている税収弾性値の2001~2009年度の推定値が、実は3.1が正しいと主張している。

経済成長と財政健全化に関する研究報告書」がソースなのだが、その推定値は載っているが「正しい」とは書いていない。どちらかと言うと、その推定に欠如している要因を延々と説明している。

2013年8月13日火曜日

意外に知られていないインフレーションの弊害

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経済学における最適インフレ率の議論を読めば色々と書いてあるのだが、世間ではインフレーションの弊害が必ずしも理解されてはいないようだ。学術的に望ましいインフレ率が確定したわけでも無いので、やむを得ないところもある。しかし、素朴に物価が上がったら困ると言う以上の問題が、潜在的にはある。これに関して立派な展望論文*1もあるのだが、大雑把に問題点を整理してみたい。

2013年8月11日日曜日

無税国家が実現可能と言うかのようなお話について

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国の債務は返済の必要がないという本質」と言うブログのエントリーが注目されていて、税金は不要なわけがない、ギリシャ、ジンバブエ、アルゼンチンをどう考えるのか*1、信用貨幣をどうするかなどなど批判的なコメントが大量についていた。

大雑把には妥当な批判だと思うのだが、もう少し問題のエントリーを厳密に見てみよう。

2013年8月8日木曜日

ゲーム理論による制度分析と人生について

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MIT Technology Reviewが、最近のゲーム理論の応用的発展を紹介している。題名が「もはやゲーム理論は経済学者だけのものではない」から「制度をゲームする」に変わっている*1ぐらいなので、論点が絞り込まれているわけではないが、こんな事になっているんだと知るのには良い紹介にはなっている。

ノーベル賞経済学者「ソフトウェア特許はイラネーヨ」

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90年代には既に、今後のプログラマーは弁護士と相談しながら開発を進めないといけないと言われていて*1、最近のソフトウェア特許紛争の増加はそれを証明しているようだ。

スマートフォン関連の法廷闘争もメディアで報道されており、ここまで一般化してくると経済学者も何か言及したくなるものらしい。ワシントンポスト誌がノーベル賞受賞の経済学者2名のソフトウェア特許に関する意見を紹介している。

従軍慰安婦問題:日韓メディアの報道の違い

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第二次世界大戦中のビルマの慰安所で働いていた朝鮮人男性従業員の日記を発見したソウル大学名誉教授の安秉直氏のコメントが、朝鮮日報と毎日新聞で取り上げ方が全く違っていて興味深い。

こうして同じ問題で、同じ情報から、日韓の見解の相違が深まっていくのであろう。

2013年8月7日水曜日

あらゆる学問の理論は死んだ?

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物理学部出身のマクロ経済学者Noah Smith氏が、経済学の先端研究で理論の地位が低下したと主張している(Noahpinion)。

コンピューターの進化で計量経済分析がしやすくなった以上に、2011年時点でカリブレーションを含む理論モデルが3割弱はあるので全滅と言うわけではないが、行動経済学分野を含めて理論的研究が進んでいないそうだ。

この主張の是非はともかくとして、他の学問分野も地殻変動が起きていると言い出しているのだが、何だか違和感がある。

2013年8月3日土曜日

動物体内のヒト臓器研究容認で分かる場当たり的な科学行政

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iPS活用に一歩前進 国、動物体内のヒト臓器研究容認」と報道されているのだが、日本の科学技術行政の問題点を良くあらわしているのが気になった。

上の朝日新聞の記事中に、東大の研究チームが人間の膵臓をもったブタを作る計画が紹介されているが、これはPOPSCIで紹介された東京大学の中内啓光教授らのグループの実験計画だと思われる。

理系のためのサバイバル英語入門

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部屋を片付けていたら「理系のためのサバイバル英語入門」が発掘されたのだが、読んだ記憶が無かったので読んでみた。

本書は、どちらかと言えば物理・化学(分子生物学を含む)分野を志す大学生のための論文執筆と学会報告のためのガイドラインで、トレーニングのための英語教材では無い。関連はしているが独立した、5人の著者の理系英語ノウハウに関するエッセイが収録されている。

2013年8月1日木曜日

池田信夫に伝えたい ─ 独占利潤も投資リターン

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経済評論家の池田信夫氏が「製造業はAKBに学べ」で、「資本主義のゲームのルールが変わりつつ」あり、「企業は投資リターンより独占レントを目的として行動する時代が来た」と主張している。AKB48に関しては慶応大学の小幡氏が議論するであろうから置いておいて、教科書的なミクロ経済学を誤解していそうな部分を指摘したい。

政治学者・浅羽祐樹の韓国司法についてのエッセイに関して

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拓殖大学国際学部教授の呉善花氏が韓国に入国拒否された事が報道されていた。犯罪暦があるならともかく、言論活動を理由に入国拒否を行うなど非民主的な国家だなと思うのだが、韓国を研究している政治学者にとっては、そうでは無いようだ。韓国を専門とする政治学者の山口県立大学の浅羽祐樹氏の朝日新聞のエッセイを見てそう感じた。