2013年11月14日木曜日

理性と冷静さを求める、非理性的で感情的な朝鮮日報の社説

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朝鮮日報が社説『【コラム】日本を見る目、世界が馬鹿なのか』で、一見冷静だが、よく考えると奇妙な主張を展開している。

社説では、韓国人の興奮しやすく感情的な非理性的かつ内輪で完結してしまう態度によって韓国が国際社会に信頼されていない一方で、日本が国際社会で高い評価を得ているため、日韓の間の問題が解決できないと指摘する。韓国人は態度を変える必要があるそうだ。

社説を書いた楊相勲論説室長にも冷静さが不足しているようだ。国際社会でプレゼンスが高まれば、国際紛争が自国に有利なように解決すると思っている*1。親の機嫌をとったら兄弟喧嘩で優位に立てると思っている子供のようだ。

日韓のどちらの主張を支持しても、他国の利益になる事は無い。ゆえに国際社会は日韓二国間の問題に、両国が仲裁を求めるまでは干渉しないであろう。英国とスペインの間のジブラルタルの領有権問題に、日本も韓国も口を挟んだりはしていない。

現在の韓国は、国際社会に頼らず、日韓二国間で問題解決を目指す立場をとっている。国際司法裁判所(ICJ)への提訴を回避しているので明白だ。国際ルールに背を向けていることも、理解できていないようだ。

実の所、竹島の問題にしろ、慰安婦の問題にしろ、従来どおり日韓二国間での解決を目指す姿勢は韓国側の外交方針としては理性的かつ冷静ではある。国際司法裁判所で史料に基づき国際法で決着をつけた場合、韓国側に分があるように思えないからだ。

理性的な対応を呼びかける楊論説室長だが、理性的に韓国外交の状況を理解できてはいないようだ。紛争解決を国際社会に委ねる気は無い一方で、国際社会に相手国を感情的に悪く思わせたいと主張している。とにかく日本が悪く思われれば満足なのかも知れないが、それも冷静さを欠いた目標であろう。

*1反日感情が大きくなれば国際司法裁判所の判断が変わって来ると言う見込みなのかも知れないが、判例を見る限りは“国民情緒法”のような影響は無いようだ。領土問題では紛争発生前の実行支配の有無を重視している。

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