2013年9月5日木曜日

日本以外の人口減少国がなぜデフレではないのか?

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ノーベル賞経済学者のクルッグマンが日本が人口減少予測から均衡実質金利がマイナスまで低下し、流動性の罠にはまっていると言っていた*1事は完全にスルーしているブログが「Fobes発デフレトンデモ説をありがたがる日経」の最後で、2005年から2010年で人口減少国17カ国のうちデフレなのは日本だけだと主張している。国連のレポートの図表にリンクが貼ってあったので、他の国名を確認してみよう。

ガイアナ、バージン諸島、ポーランド、ドイツ、エストニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、トケラウ諸島、クロアチア、ハンガリー、ドミニカ国、サンピエール島・ミクロン島、ロシア、ルーマニア、ラトビア、ベラルーシ、ブルガリア、ウクライナ、リトアニア、グルジア、セント・ヘレナ島、ニウエ。該当ブログでは、この23カ国のうち経済統計のある17カ国をプロットして、人口減少とインフレ率に関係が無いと主張している。

ドイツを抜かせば、ロシアと東欧が多い。ドイツの場合はユーロを使っているし、周辺国から外国人労働者が来ている。ロシアと東欧は、平均余命の低下(つまり、高齢者の死亡)と出生率の低下があるのだが、そもそも資本装備率が低いので、人口減少の影響で均衡実質金利が低下したとしても、クルッグマンが言うようなマイナスにはならない。2010年までのロシアとハンガリーの政策金利は5%以上ある。過少投資がどの程度物価に影響があるのかは疑問が無いわけでもないが、何はともあれ労働者の資本装備率が高く金利が低い国でないと成立しない。

先進国では日本とドイツぐらいしか人口減少しておらず、しかもドイツは移民が増えていることから2011年、2012年は人口が増加している。だから、日本以外の人口減少の経験は参考にならない。クルッグマンの議論も理論的、実証的に磐石な定説ではなく、どちらかと言えば思考実験的な仮説に過ぎないが、これを切り崩すにはロシアや東欧の事例を持ってきても始まらない。なお、藻谷氏の人口減少デフレ論は議論がどうなっているかは確認していない。

1 コメント:

POM_DE_POM さんのコメント...

>藻谷氏の人口減少デフレ論は議論がどうなっているかは確認していない。
どんな議論があったかは僕も知りませんが。
著作「デフレの正体」を読んだ限りでは、そもそも「デフレ」という単語自体が「デフレが不況の原因とする説は間違い」との文脈で1~2ページ程度に登場するだけでした。
著作を通じて「物価の低下」については何も語っておらず「人口が減っているのが”不況”の原因だ」と主張していますので、人口減少デフレ論?の代表として藻谷氏の「デフレの正体」を持ち出すのは、藁人形論法かなと思います。
人口減少=藻谷氏の図式は、すでにお約束と化した感もありますが。

(確かデフレの定義を違う意味で使っていたとか何とかで釈明に追い込まれたような記憶があったような無かったような)

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