2013年7月10日水曜日

前略、アシアナ航空のパイロット様

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対気速度計ぐらい見てください。航空史上、練度の低いパイロットが事故を起こしたことは多々あるのだが、大型旅客機でパニックにもならずに対気速度計を見なかったケースは、7月6日のアシアナ航空214便墜落事故が初かも知れない。

事故調査委員会は天候や機体不良の可能性もまだ排除していないが、報道内容からは速度の低下が原因だと強く思われているようだ。パイロットは自動速度維持装置が機能していると思い、高度約60メートル、衝突の7秒前まで速度低下に気付かなかったらしい。予想よりも高度低下していたにも関わらずだ。

速度不足で滑走路に侵入した場合は、着陸を諦めgo-aroundする必要がある。固定翼機の速度は揚力、つまり高度を決定するので、数ある計器の中でも最も重要なのが対気速度計と言われている。操縦桿を握っていた副機長が機種転換訓練中だったと大きく報道されているが、それ以前の問題だ。

なお事故機のBoeing 777-28E/ER(機体番号HL7742)はエンジンがPW4090で、後続距離延長型の国際線モデルとされている。777シリーズは、1994年の初飛行から今回の事故まで死亡インシデントを起こしていない安全な機体として知られていた。

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