2012年5月4日金曜日

国産ジェット機MRJ用エンジン試験飛行開始

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三菱重工業子会社で国産ジェット機MRJを開発する三菱航空機は5月3日、MRJに搭載するPratt & Whitney製エンジンPW1217Gの試験飛行をカナダのケベック州で始めたと発表した。MRJの初飛行に合わせて1年強をかけて飛行中の燃費性能や耐久性を確認するそうだ(日経)。このテスト機の写真をDVICEで紹介していた。

ジャンボジェットの4発のエンジンのうち一つをPW1217Gにするのかと思いきや、ダブルデッガー部分から新型エンジンを吊り下げている。ちょっと不恰好ではあるが、これで1年以上テストを行うようだ。そのうちバードストライク対策のテスト動画なども公開されるかも知れない。

PW1217Gは、ギヤード・ターボファン・エンジンの一つで、通常のターボファン・エンジンに遊星歯車機構を追加する事でファンの回転数を下げ、バイパス比を上げており、高燃費を実現する事が特色になる。ジャンボジェット、つまりBoeing 747-400型機に搭載されたPW4062で約5、最新鋭のBoeing 787ドリームライナーに搭載されたTrent 1000のバイパス比は11であるのに対して、PW1217Gは12だ。

ターボファン・エンジンはジェットによる推力と、バイパス(ファンによる推力)の二つで推進するが、ジェットは速度が高すぎるため、バイパスの比率が高いほど燃費が良くなる。しかし、従来型のターボファン・エンジンでは、ファンと低圧タービンが直結しており、バイパス比が高すぎるとファンの先端部分が音速を超えるなどの問題が生じていた。ギヤード・ターボファン・エンジンでは、ファンと低圧タービンの間に遊星歯車を追加している。

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