2012年5月2日水曜日

エールフランス447便の墜落原因はヒューマンエラー

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Business Insiderによると、昨年5月にAF447便A330-203型機のフライトレコーダーが回収された後に解析が進み、墜落原因が概ね判明したようだ。昨年7月末に伝えられていたように、パイロットのヒューマンエラーが主たる原因だ。

2009年6月1日に大西洋上空を自動巡航中だった事故機は、二つある対流速度計のうち一つが切り離され、自動的に手動運航に戻された。対流速度は揚力に直結する最も重要な計器の一つだが、バックアップがあるため問題は無いはずだが、操縦を担当していた副機長は機種角を水平に維持し、速度を一定にする代わりに、機種角を急角度にした。

機種角を上げると対流速度が低下するため、失速する。失速警報装置が鳴っていたのにも関わらず、副機長も他2名のパイロット ─ 当日は機長1名、副機長2名の体制だった ─ も気付かず、そのまま墜落したようだ。機種を下向きにする事で、失速状態から回復出来る事は、航空学校で初日に教わる基本的な事項だそうだ。

ボーイング機とは異なり、エアバス機は操縦桿が連結していないので機長が副機長の操作を理解できなかった事と、完全にストールすると機種角センサーが正常に働かなくなる為に、失速警報装置が鳴らなくなる事も、墜落の遠因として考えられている。しかし、失速警報装置は失速により下降し速度が回復すると、再び稼働するようになる。パニックに陥ったパイロットが停止したようだ。

事故は、エアバス社の高高度での失速に関して、全世界のパイロットに警告になり、訓練内容の改善もあって同種の事故は起きづらくなっているそうだ。しかし、失速状態からの回復と言うイロハが適切に行われなかった事は、緊急時に人間が適切な判断を下す事の難しさを表しているようでならない。

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