2011年6月13日月曜日

理論経済学者の言葉尻に噛み付く池田信夫

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理論経済学者の林貴志テキサス大学助教授が、原発の発電コスト+事故で発覚した外部不経済が、他の発電方式の発電コストを上回るのであれば、原発が無くなって電気料金があがるのも当然だと言う意図でTweetしたところ、自称経済学者の池田信夫氏がブログで問題を誤解していると批判している。

林氏のTweet(#1 #2)が意図を理解しづらい所もあるのだが、池田氏が批判は妥当性を欠くものとなっている。まず、長期・短期の話はしていないので長期の話になるであろうし、原発の存続に対する意見や予測は示されていない。ゆえに誤解も何も無い。

恐らく林氏は原発も、他の発電方法を分けて考える必要が無いと指摘したかったのだろうが、なぜか池田氏が原発廃止を支持する発言だと誤解したようだ。林氏も「人の言ってること(Aとしよう)を枕にして「仮にAだとして、・・・だ」と言うのは、自動的にAを肯定していると捉える人が多いようなので、やっぱり止したほうがいいようだ。」と辟易している。

一般的に言って、社会的選択論などをやっている理論経済学者の仕事は厳密なので、理論経済学者の経済学に関連した発言に突っ込むときは10回ぐらいは読み直した方が良いと思う。さらに言うと、これは偏見だが理論経済学者は実態経済に強い関心は無いので、時事的な関心の強い人は自分と問題意識が異なると認識しておいた方が良い。

別の著名な経済学者が「経済学的にみれば、原発も特別なものでないと言っているにすぎないのでないでしょうか。」と、やんわりと池田氏をたしなめていたが、経済学の素養がある人には池田氏のエントリーは「?」な内容になっていたと思う。

池田氏は林氏の発言を枕にエントリーを書きたかっただけだと思うが、誤解をしていない人を誤解していると批判するのは、傍から見ていても気持ちの良いものではない。

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