2010年12月6日月曜日

革新的なジャイアントパンダの繁殖・育成テクニックが考案され、飼育数の大幅増加が可能になる

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BBCが、革新的なジャイアントパンダの繁殖テクニックが考案され、野生に再移入する計画が前進したと報じている。

パンダは気難しい生き物で、メスパンダの年間の発情期間は年に72時間で、実際の繁殖可能期間はそのうちの12~24時間と短い。また、雄と雌の相性も強くあり、飼育下の自然交配の難易度が高い動物だ。さらに、通常1~2頭の子供を出産するが、2頭産まれた場合は、1頭の面倒を見ない事で知られている。つまり、パンダ自身では繁殖も育成も十分にできず、従来は飼育下で増殖させる事が難しかった。

長年、パンダの繁殖・育成に取り組んできた成都パンダ繁殖研究基地は、この問題に対して画期的な手法を考案し、多くの子パンダを養育する事に成功した。それはまず、人工受精を行いパンダを妊娠させる。次に、11週~11ヶ月と幅のある妊娠期間を良く観察し、出産を迅速に検知する。そして、双子が出産され、片方が育児放棄された場合は、『双子摩り替えテクニック』を実施する。

『双子摩り替えテクニック』とは、育児放棄された子パンダを保育器で保護しておき、母パンダの隙をついて養育されている子パンダと摩り替える方法だ。母パンダは交換された子パンダを養育するので、定期的に二匹の子パンダを、母パンダと保育器の間を巡回させれば、二匹とも養育する事ができる。これにより、子パンダの生存率は98%に上昇した。これらの技術を含む管理とケアによって、成都パンダ繁殖研究基地は1987年から168頭の子パンダの養育に成功している。

成都パンダ繁殖研究基地は、有料でパンダを世界中の動物園に貸し出して得た資金でパンダの保護・研究活動を行っており、培ってきたパンダの繁殖・育成で野生にパンダを再移入する事が目標にしている。

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