2010年10月5日火曜日

中国の農村にスペース・デブリが落下する

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中国2機目の月探査衛星「嫦娥(じょうが)2号」が長征3号Cロケットで10月1日に打ち上げられたときに、周辺住民2,000人以上が避難したことを覚えている人は多いであろう。種子島やケネディ宇宙センターで打ち上げがあったとしても、付近に避難民があふれたなどという話は聞いたことが無いからだ。この不思議な避難行動をしないといけない理由が分かるニュースを、POPSCIが報じている。

10月2日の未明に、中国江西省の村で、嫦娥2号の外装の一部が大きな騒音をたてて落下した。幸い、人的にも、建造物などにも損害が無いようだが、一歩間違えば大惨事になるところだ。落下地点の周囲は人口密集地域だそうで、大事故にならなかったのは運が良かったに過ぎないようだ。

奇跡的に田んぼの畔に落下したようだが、外装は先頭部分のカバーのようで、かなりの高度から落下してきた事が分かる。

大気圏に再突入したためか、摩擦熱で焦げた跡が観察できる。

この外装の落下は計画には無かったようだが、嫦娥2号は順調に飛行をしており、今後6ヶ月間をかけて月の周回を探査するそうだ。中国では、月面有人着陸は中国の方が日本よりも先に実現すると盛り上がっている(産経ニュース)ようだが、こういう安全管理を見ていると、米ソ冷戦時代の広報目的の宇宙開発から脱皮していないように思えてくる。欧州や米国、日本では、既に宇宙開発は商業ベースになりつつあり、ロケットの安全性やコストなども要求性能に入っている。

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