2010年9月4日土曜日

失業した若者は、マリファナから薬物乱用を悪化させる

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常習性が無いとされるマリファナを取り締まる理由の一つに、マリファナが他の薬物の使用の契機になるというゲートウェイ効果がある。真偽については賛否両論あるのだが、マリファナ合法化論があるアメリカでは関心が高い話題のようだ。そのゲートウェイ効果の、より詳細な調査結果が公表されている。

Toke of the Townがニューハンプシャー大学の研究グループの研究を紹介している。それによると、ストレスの露見や、教育、職種、家族構成には関係なく、21歳未満の失業中の若者においてのみゲートウェイ効果が認められるそうだ。また、強い薬物の乱用は、マリファナの利用経験よりも、人種や民族性による影響が大きい。非ヒスパニックの白人が最も利用率が高く、次にヒスパニックが続き、最も少ないのがアフリカ系アメリカ人となっているそうだ。調査は1990年代に、Miami-Dadeの公立学校に投稿していた1,286名の若い成人のデータを用いており、最終的なサンプルでは、26%がアフリカ系アメリカ人、44%がヒスパニック、30%が非ヒスパニックの白人となっている。

最近の研究ではゲートウェイ効果を否定するものが多いそうだが、このJournal of Health and Social Behaviorに"A Life-Course Perspective on the 'Gateway Hypothesis.'"というタイトルで掲載される論文も、ゲートウェイ効果を概ね否定していると言える。以前、政府財政の側面から合法化を主張したinfographを紹介したが、マリファナ合法化の風潮が高まっているようだ。

しかし、若年層の失業問題は良く問題になっているところ。その時点でゲートウェイ効果が働き、常習性の強い麻薬の中毒患者が大量に排出されたら、その社会的コストは大きいものになる事は、留意して考える必要があるとは思う。

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