2010年9月24日金曜日

テニスボールの家とネズミ

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近年、カヤネズミ(harvest mice)の生息数が減少傾向にあるそうだ。茅場(ススキやオギ、チガヤの群生地)に巣を作り、イネ科の雑草の種子や、昆虫類を食べて生活しているが、茅場の減少にともない生息地を減らしているらしい。英国でも事情は同じらしく、ちょっとユニークな調査・保護活動が2001年に行われた。

イギリスのレスターシャー州で、全英ローンテニス選手権大会、つまりウィンブルドンで使われた36,000個のボールに穴をあけ、地上75cm~1mのところに設置し、カヤネズミの巣として設置したそうだ(BBC)。

上は通常の巣とテニスボールの巣を比較した画像で、下は遠めに撮影した写真(Forest of Marston Vale)。

巣を作る場所以外のカヤネズミの減少理由は無いのか気がかりだが、写真を見る限りはテニスボールの巣を気に入っているように見える。

しかし、テニスボールは色が目立つので、日中は外敵にねらわれる危険性が高くなるので問題があり、実際に営巣に利用されたテニスボールはあまり無かったそうで、カヤネズミの調査・保護には余り役立たなかったそうだ(全国カヤネズミ・ネットワーク)。せめて迷彩色にしておけば、もっと効果があったのかも知れないが、環境保護の難しさをあらためて示した結果になった。ただ、テニスボールの家は移入動物と違って撤去可能なので、大きな問題にはなっていないようだ。

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