2010年8月17日火曜日

英国の風力発電所の半数以上が、風が十分に無いところに立地している

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Mail Onlineによれば、英国の風力発電所の半数以上が、不適切な補助金のせいで、風量が無く利用率(=発電電力量÷(発電機出力×運転日数×24時間))が25%未満のところに立地しているそうで、ひどい発電所だと利用率は僅か4.9%、全体の利用率も21%に留まるらしい。

英国の消費者は、年に10億ポンドを再生可能エネルギーに投じており、現在は264箇所の発電所で2,906基の風力タービンが設置されていて、向こう12年間で、さらに7,000基の設置が計画されているが、作られた発電所の利用率はあまり顧みられていない為だそうだ。

ロンドン・メトロポリタン・ビジネス・スクールのジェファーソン教授は、稼動率に対しても何らかのインセンティブを与える必要があると論じている。教授は、30%以上の利用率を持つ風力タービンにのみ援助を与えることで、もっと立地条件を考えて風力発電所を建設させることを提案している。

風力発電所は立地条件が難しく、日本でも風力不足で風力タービンの立地に失敗した事例がある。例えば、京都府伊根町で稼働率(=運転時間/(運転日数×24時間))10~12%(目標21.7%)でしか無いことが判明し問題になっている。稼働率・利用率の向上が風力発電の課題で、それを向上させるように制度設計をしていないと、英国のように効率性が悪い状況に陥ってしまうようだ。

なお、逆に風が強すぎてタービン等が破壊された宮古島のケースや、周辺住民への騒音で稼動停止に追い込まれた三崎ウィンド・パワーのケースもあるので、単純に風が強いところを風力発電の立地に選べばいいわけでは無い。

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