2010年7月26日月曜日

光学迷彩のための基礎技術

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

映画やアニメの中では、透明になれるマントのような、光を屈折する光学迷彩技術が頻繁に登場する。この夢の技術の第一歩になる素材を、ミシガン工科大学のElena Semouchkina教授が開発したとMail Onlineが報じている。この研究以外にも開発を試みている人は多数いるが、Semouchkina教授の素材は、より画期的な技術のようだ。

従来の方式では、カメラやプロジェクターを応用した迷彩技術の研究が報道されてきた。Mail Onlineによると、イギリスではカメラとプロジェクターを用いてカメレオンのように周囲に溶け込む偽装ができる戦車を開発しているようだし、 東京大学の研究室内ではバーチャル・リアリティーを応用した実験が行われていたようだ。これらの方式では、映像を映し出す必要がある。

Semouchkina教授は、同質の非伝導性のカルコゲナイト・グラスの共振装置を使った非金属の布を作り出した。コンピューター・シミュレーション上では、この布で周囲の赤外線を屈折し、1ミクロンか、100万分の1メートルほど離れると、(赤外線の)視界から消える物体を作り出すことができる。

この彼女の透明の布は、自然界に存在しない人工物質であるメタマテリアルによって構成される。このメタマテリアルは、円筒状の中に小さいガラスの共振装置が同心上に配置されて作られている。この円内のスポークが、光を曲げる磁気共鳴を作り出し、メタマテリアルを透明にするらしい。メタマテリアルは、自然界に存在しない分子を使うため、物質科学と電気工学にまたがる分野になっている。

Semouchkina教授のチームは、マイクロ派周波数で働くようにサイズ変更したものと、セラミック共振装置製の布のテストを開始している。まだ無響室で実験をはじめたばかりのようだが、周波数や波長を変えていき、将来的には可視光線を曲げる事を目標としているようだ。

実用化まではまだまだ先のようだが、突破口が開けると発展が早いのもまた事実だ。まずは軍事技術として利用されるのであろう。数十年後の戦争では、戦場では目の前の敵を見ることもできないのかも知れない。

2 コメント:

エロヒム さんのコメント...

とても未来は、透明に近くなってきます。

              ヒサノリ

Unknown さんのコメント...

エロヒムさんのコメント「うまい!」拍手です♪

コメントを投稿