2010年7月27日火曜日

AndroidがiPhoneよりも売れている!?

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主に米国市場での話しだが、AndroidがiPhoneよりも売れているという噂がある。

単にGoogleとAppleの公表資料やCEOの談話をつなげたものだが、その根拠はこうだ。Androidは2月には6万台/日、5月中旬には10万台/日だったアクティベーションが、6月下旬(?)には16万台/日になった。アクティベーションは購入後に必ず行う操作なので、ほぼ売り上げを反映していると考えらる。iPhone 4の発売後の22日間でiPhone 4は世界で300万台売れているが、前述の計算だとAndroidは350万台売れていることになり、Androidの方がシェアが大きい事になる。

何が消費者にAndroidを買わせているのか?

この計算は、iPhone 3GSの売り上げを考慮にいれていないので、iPhoneとAndroidの直接の比較にはならないが、好調なiPhone 4をさらに上回る勢いで、Androidが成長を続けている事になり奇妙な推計だ。そこらのiPhoneの信者によれば、iPhoneはAndroidを全く上回る製品だと言うであろうから、Androidの製品訴求力はiPhone 4に劣ると考えられるのにである(具体的な差異は、「iPhoneとAndroidのちょっとした大きな違い」参照)。

2010年第1四半期はiPhoneのシェアが圧倒的

NPDの米国小売シェアはAndroidがiPhoneを上回ったが、世界市場での総売り上げ数はiPhoneが836万台、Androidが512万台とiPhoneが上回っている。しかし、2009年の販売数は6.6倍の差があったので、差は急激に狭まっている。GartnerやInforma Telecoms & Mediaの予測では、オープンな環境とバリエーションのある機種が理由で、2012年までにAndroidとiPhoneの販売数が逆転する予想だ。

iPhoneもAndroidも在庫が逼迫していているが、Androidの方がまだ市場に供給されている

6~7月に販売されていたAndroid端末は、在庫数が不足気味だったHTC DROID Incredible、同じく30万台を販売した後は売れきれが続いているHTC EVO 4G、やはり在庫が薄そうなHTC DesireとSamsong Galaxy S、古いバージョンのAndroidが搭載されていて不評なSony Ericsson Xperia X10となっている。Amazon.comで確認する限りは現在はHTC製品もストックがあるので、作るはしから売れていく好環境なのかも知れない。HTCとSony Ericssonは、スマートフォンの販売で収益を伸ばしている。

iPhone 4は、発売後1ヶ月たった状態でも在庫不足の状態なので、Appleが逃がした商機を、Android端末が埋めているのかも知れない。2010年第2四半期は、AT&Tが320万台のiPhoneをアクティベーションしたと言っている(TechCrunch)。昨年同期比で33%増であり、AppleのiPhoneが依然として好調なのは間違いなく、比較的在庫が潤沢であったAndroid勢の方がスマートフォン市場の拡大に乗じることができたのであろう。

2010年第3四半期は、iPhoneは在庫が潤沢になり、Androidは新機種が投入される

iPhone 4の在庫が潤沢になってくる今後も、Android勢は好調を維持できるのであろうか。アンテナの受信感度低下問題でAppleの大人気ない態度は批判を受けているし、iPhone 4の白モデルの発売延期は潜在ユーザーに大きな失望をもたらしたのは確かだが売れ行きに影響があるようには見えず、Appleの自爆要素は、あまり市場シェアに影響をもたらさないであろう。むしろ、7月15日に発売されたDROID X、8月にリリースが予定されているDROID 2、既存端末のAndroid 2.1/2.2へのアップグレードが、Androidの製品訴求力を高められるかがポイントになる。

鍵はAndroid OSのバージョン・アップ

開発ペースの早いAndroid OSは、1.5~2.2の間にかなりの機能差がある。iPhoneと比較して劣っていると言われているAndroid端末は、バージョン1.5/1.6のOSを搭載していることが多い。

以下はAndroid Developerで公表しているグラフだが、まだバージョン1.5/1.6の端末が多く、Androidアプリの開発ターゲットを新しいバージョンにあわせるのは難しいかも知れない。古いバージョンにあわせていると、やはりアプリとしての魅力は減ってしまう。魅力的なアプリの供給がスマートフォンの製品訴求力であるので、既存端末を含めて新しいバージョンのOSが搭載されることが鍵になるのは間違いない。

また、まだごく少数派のバージョン2.2であれば、多くのウェブサイトで広告や動画配信、人気の企業内ウェブアプリ開発ツールのFlex等で使われるFlashを利用することができ、iPhone 4への明確なアドバンテージになる。

日本で販売された中ではHT-03Aが最も古い端末になるが、2.2へアップグレードしている人もいる(=できる)ので、メーカーには多少古めの機種でもアップグレード方法の提供を期待したい。

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